第96回選抜高校野球大会で、山梨学院は26日、2回戦で創志学園(岡山)と対戦し、4―0で8強入りを決めた。雨の影響で午前中の予定だった試合開始が午後4時前にずれ込んだが影響を感じさせなかった。28日の準々決勝では第2試合(午前11時開始予…

 第96回選抜高校野球大会で、山梨学院は26日、2回戦で創志学園(岡山)と対戦し、4―0で8強入りを決めた。雨の影響で午前中の予定だった試合開始が午後4時前にずれ込んだが影響を感じさせなかった。28日の準々決勝では第2試合(午前11時開始予定)で健大高崎(群馬)と対戦する。

 山梨学院で昨年の選抜優勝を唯一ベンチ内で経験した二村仁功左翼手(3年)が攻守に活躍した。

 三回の攻撃では2死一、三塁の好機で打席に立った。「併殺もないし、思い切り打っていこう」。初球の内角寄りの直球を振り抜くと、速い打球が左前に達した。4点目となる走者が生還し、勝利を引き寄せた。

 七回の守りでは、1死一塁で救援した桜田隆誠投手(3年)が盗塁を許し、得点圏に走者を進められた。相手に反撃の機会を与えかねない場面で、鋭い当たりの左翼へのライナーを、スタート良く俊足を生かして捕球した。

 さらに「相手の走者は、自分がバウンドさせてから捕ると思ってスタートしたのだろう」と、二塁走者が飛び出していた状況を冷静に見極め、落ち着いて二塁に送球。走者をアウトにし、相手の得点機をつぶした。

 二村選手は「昨年のチームと比べると力が無いので、チャレンジャーとして一戦一戦、戦っていく」と謙虚な姿勢を崩さない。8強入りを成し遂げ「勢いが出てきたと思うし、試合に出ているので去年よりうれしい」と笑顔を見せる。

 準々決勝の相手の健大高崎は昨秋の関東大会の準決勝で対戦し、3―2で破って、選抜出場を決定づけた。しかし、この試合で二村選手は、背番号13で途中出場したものの、安打を打てなかった。

 レギュラーの座を勝ち取った今大会は、背番号7のユニホーム姿で「自分の持ち味である足を生かし、打撃や守備で勝利に貢献したい」と雪辱を誓う。

 中原義虎主将(3年)は「初めて甲子園のグラウンドに踏み入れたメンバーから見ると、準備とかスピード感とか全然違う部分がある」と、二村選手の経験を評価する。「『こう準備しておけ』などと言ってくれて、本当に助かる。甲子園に来てから、前より頼りがいのある選手になった」と信頼を寄せる。(三宅範和)

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 山梨学院・中原義虎主将 少ない好機を確実に生かすことができた。相手の積極的な仕掛けに落ち着いて対応できたのが勝因。

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 山梨学院・吉田洸二監督 津島が粘り強く投げてくれた。途中出場の岩城が先制打を放ち、いい勝ち方だった。

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 創志学園・豊島虎児主将 自分たちの野球をさせてもらえなかった。甲子園での経験や悔しい気持ちを忘れずに練習したい。

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 創志学園・門馬敬治監督 もっと力をつけなければいけないと、甲子園で感じられたことを選手たちは財産にしてほしい。