(26日、第96回選抜高校野球大会2回戦 健大高崎4―0明豊) 一回、健大高崎は1点を先制し、なおも1死一、三塁の場面。5番森山竜之輔(3年)は「今日はどんな形でも走者をかえす」と打席に入った。フルカウントからファウルで粘った後の10球目…

 (26日、第96回選抜高校野球大会2回戦 健大高崎4―0明豊)

 一回、健大高崎は1点を先制し、なおも1死一、三塁の場面。5番森山竜之輔(3年)は「今日はどんな形でも走者をかえす」と打席に入った。フルカウントからファウルで粘った後の10球目を中堅に運び、犠飛となった。貴重な追加点を挙げた。

 試合前、青柳博文監督はこう語っていた。「今日は森山に期待している。(森山が)打点を挙げてくれれば勝てる」。4番箱山遥人主将(3年)の直後を打つこともあり、好機で回ってくることが多い。求められるのは勝負強さだ。昨秋の関東大会では3試合すべてで打点を挙げ、チームを選抜大会に導いた。

 しかし、初戦の学法石川戦では六、七回と好機で凡退。4打数で無安打に終わった。「悔しかった。宿舎に戻っても、打てなかったことがずっと頭から消えなかった」

 見たくはなかったが、自分が三振する映像を宿舎で何度も見返した。「打ってやろう」と力が入り、体が三塁方向に開きがちだったことに気がついた。修正するべき課題をつぶし、この試合に臨んだ。

 だからこそ、七回の右前安打には手応えを感じた。体を開かず、引きつけて打てたからこそ、右翼へ鋭い打球が飛んだ。森山は「どんな形でも良い。とにかく今日のように走者をかえす打撃ができれば優勝が近づく」。次戦は昨秋に敗れた山梨学院が相手だ。(吉村駿)