(25日、第96回選抜高校野球大会2回戦 阿南光3―0熊本国府) 二回のマウンドに上がる阿南光(徳島)の先発、吉岡暖(はる)(3年)は自らに言い聞かせた。 「顔が上がっていた。あごを引いて」。一回。課題の立ち上がりで球が高めに浮いた。無失…

 (25日、第96回選抜高校野球大会2回戦 阿南光3―0熊本国府)

 二回のマウンドに上がる阿南光(徳島)の先発、吉岡暖(はる)(3年)は自らに言い聞かせた。

 「顔が上がっていた。あごを引いて」。一回。課題の立ち上がりで球が高めに浮いた。無失点で切り抜けたが、22球を費やした。

 「とにかくローボールを」。低めを意識すると、ストライクが先行し始める。直球にカットボール、スライダーが低めに決まり、リズムに乗った。六回を除く毎回の14奪三振。無四球完封でチームを初のベスト8に導いた。

 約1年半前、練習にピラティスを採り入れた。「体の軸がつくれていなかった。やりたい動作がやりやすくなった」。140キロに届かなかった球速は最速146キロに。マウンド上での修正も容易になった。

 東海王者の豊川に続き、九州王者も撃破。「阿南ってどこやねんて感じでしょ。野球の街って全国に広げられたら」。次は昨秋の明治神宮大会王者の星稜が相手だ。さらに大きな旋風を巻き起こす。

 ●山田祐揮監督(熊) 「相手の吉岡投手のペースを崩そうと色々策を講じたが、それを上回るすばらしい投球だった。変化球を見極められなかった」