(第96回選抜高校野球大会2回戦、八戸学院光星2―3星稜) 2点を追う三回。八戸学院光星(青森)の攻撃は、2死満塁で4番の山本優大選手(3年)に回った。 「走者をかえすという気持ちだった」 1巡目の組み立てから、内角の直球に的を絞った。 …

 (第96回選抜高校野球大会2回戦、八戸学院光星2―3星稜)

 2点を追う三回。八戸学院光星(青森)の攻撃は、2死満塁で4番の山本優大選手(3年)に回った。

 「走者をかえすという気持ちだった」

 1巡目の組み立てから、内角の直球に的を絞った。

 1ストライクからの2球目。内角、真ん中よりの甘い直球を振り抜く。強いライナーが二遊間を抜け、同点の2点適時打になった。

 星稜(石川)は、昨秋の明治神宮大会で優勝した。エースの佐宗翼投手(3年)は一番対戦したい投手だった。好左腕からの価値ある一本だった。

 強打のイメージが強いチームは、機動力を絡めた攻撃スタイルを指向している。この試合でも、同点の六回にセーフティーバントの内野安打があり、1点を追う九回は再三、ヒットエンドランを仕掛けた。

 その打線にあって、山本選手は仲井宗基監督に「打順(4番)が変わることはない」と言われている。

 今大会、1回戦は九回に先頭で安打を放ち、同点につなげた。2回戦は2点適時打を放つ活躍だった。

 「冬場のトレーニングの成果が出たと思う」

 敗れはしたが、不動の4番は胸を張った。(八鍬耕造、渡部耕平)