能登半島地震で被災した日本航空石川(石川県輪島市)が25日、第96回選抜高校野球大会の1回戦に登場した。 阪神甲子園球場の一塁側アルプス席では近江(滋賀)や、系列校の日本航空(山梨)の吹奏楽部(計約100人)による友情演奏がこだました。 …

 能登半島地震で被災した日本航空石川(石川県輪島市)が25日、第96回選抜高校野球大会の1回戦に登場した。

 阪神甲子園球場の一塁側アルプス席では近江(滋賀)や、系列校の日本航空(山梨)の吹奏楽部(計約100人)による友情演奏がこだました。

 0―1で迎えた七回裏1死三塁、近江名物のチャンステーマ「Fireball(ファイアボール)」が演奏された。

 日本航空石川の吹奏楽部員は、山梨県甲斐市の日本航空に避難している。両校の吹奏楽部員は選抜大会に向けて合同練習。学校関係者同士の交流がある近江の吹奏楽部員約60人も、友情応援に加わった。

 今月22日に3校合同の練習が始まった。近江は「Fireball」を含めて計18曲を用意した。

 二回裏1死、応援席で流れた曲は「航空オーレ」。日本航空石川の独自曲で球場を盛り上げると、段日向樹選手(3年)が中前へこの日の初安打を放った。

 能登半島地震から3カ月近くたつが、被災地の復旧は半ばだ。日本航空石川吹奏楽団の九尾結月団長(3年)は「応援協力は本当にありがたい。石川まで届くような大迫力の演奏をします」と話す。

 近江吹奏楽部の三国萌桃乃部長(3年)は「被災地復旧はまだまだと聞く。全力で演奏して盛り上げたい」と話していた。(上田雅文)