第96回選抜高校野球大会は23日、雨天のため日程が順延となり、山梨学院―創志学園(岡山)の2回戦も順延された。 山梨学院は、この日の練習場所を大阪シティ信用金庫スタジアム(大阪市此花区)に変更し、スタンド下の通路などでランニングやストレッ…

 第96回選抜高校野球大会は23日、雨天のため日程が順延となり、山梨学院―創志学園(岡山)の2回戦も順延された。

 山梨学院は、この日の練習場所を大阪シティ信用金庫スタジアム(大阪市此花区)に変更し、スタンド下の通路などでランニングやストレッチなどの調整を約1時間した。

 取材に応じた吉田洸二監督は、試合日程が順延になったことについて、1回戦で先発し、公式戦で初体験となる長いイニング(6イニング)を投げて体に張りが出ていた津島悠翔(2年)と、月初にインフルエンザで体調を崩し、回復過程にあるエースの桜田隆誠(3年)の両投手が休養の時間が取れることから、「うちにとって恵みの雨です」と笑顔をみせた。

 さらに、試合当日でなく前日の順延決定なので、「試合に向けて高まった選手の気持ちを作り直す必要がなく、甲府からの応援団にも苦労をかけなくて良かった」と気遣った。(三宅範和)

     ◇

 昨秋の関東大会では代打の切り札として選抜大会出場を確実にする貢献をし、「全員そろって選抜優勝旗を返す」と臨んだ開会式で、掛け声役として堂々の行進を支えた山梨学院の河内佑樹選手(3年)が、京都外大西との1回戦で打の主役に躍り出た。

 背番号13ながら3番・右翼手として先発。二塁打を含む2安打、貴重な四球も選び、同点と勝ち越しのホームを踏んだ。「とにかく後ろにつないでチャンスをつくろう」と打席に入り、初打席は内角直球に自然に体が反応して左翼線二塁打、3打席目は体が開く癖を修正したのが功を奏し、外角直球を中前にはじき返した。

 1回戦ではいずれも交代出場した、中原義虎主将(3年)と山田将吉郎選手(3年)を含め、外野のポジション争いは激しい。

 河内選手は守備に少し不安はあるが、大会直前の練習試合で打撃面で結果を残し、先発出場を勝ち取った。自分で感じる最も大きな打撃面での成長は「変化球への対応」だという。

 2回戦の相手、創志学園(岡山)は左右の好投手を擁する。「左投手なら外角球を開かずに打てるか、右なら球が速いので遅れずに」と課題を持って臨む河内選手には、「平常心で、しっかり自分たちの野球をしたい」と気負いはない。(三宅範和)