【栃木】第96回選抜高校野球大会第5日の22日、阪神甲子園球場で1回戦3試合があり、作新学院は第1試合で神村学園(鹿児島)と対戦。七回に1点差に迫るなど作新らしい粘りの野球をみせたが、八回に突き放され、3―6で敗れた。昨年の選抜の成績(ベ…

 【栃木】第96回選抜高校野球大会第5日の22日、阪神甲子園球場で1回戦3試合があり、作新学院は第1試合で神村学園(鹿児島)と対戦。七回に1点差に迫るなど作新らしい粘りの野球をみせたが、八回に突き放され、3―6で敗れた。昨年の選抜の成績(ベスト8)を超えられなかった。(高橋淳)

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 ◎…五回までに4点をリードされた作新学院は六回、小川亜、広田が柳沼の適時打で生還して2点を返し、七回にも土井の安打を足がかりに加点したが、あと一本が出なかった。

 神村学園の先発はエース今村ではなく、けがで昨夏、秋と公式戦での登板がなかった上川床。たくみにコーナーをつく投球が身上だ。作新打線は中盤以降、とらえ始めたが、神村学園の継投策にかわされた。

 作新の小森主将は「エースを想定して練習していた。打線が対応できなかった」と悔やむ。「『つながる打線』をテーマに練習してきたが、チャンスをものにできない心の弱さなど、プレー以外のところでもレベルの違いを感じた」

 大会注目の作新のエース小川哲は、味方の失策後も大崩れすることなく、神村学園の4番正林をチェンジアップで三振に打ち取るなど要所を締める投球。球数が想定を超えたため、五回で交代した。

 小針崇宏監督は試合後、「走力を上げ、ワンヒットで生還する練習が必要。投手力も鍛え、それに応えられる守備力も高めていかなければならない」と振り返った。

 作新は昨秋の関東大会で優勝し、続く明治神宮大会でも逆転勝利を重ねて準優勝するなど地力はついている。夏へ向け、貴重な宿題を持ち帰る。

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 作新学院の2番手投手石毛虹晴は六回から登板し、2回を無失点に抑えた。「ここで追加点を取られるわけにはいかない」。昨夏の甲子園で4強入りした神村学園の強力打線を相手に、横手投げから直球を投げ込んだ。最初のイニングを1安打、2イニング目は三者凡退に抑え、反撃の流れをつくった。

 「(エースの)哲平が苦しいときは、自分たちリリーフ陣が支えるしかない」。野手陣にも声をかけ、守備のリズムをつくることを心がけた。初めての甲子園だったが緊張はなく、マウンドの感触を楽しんだ。

 「追加点を与えなかったことは自信になった」。夏に向け、変化球の制球力をさらに高めていく。