5年連続出場の大阪桐蔭は大会第5日の22日に登場し、北海(北海道)との初戦に勝利。攻撃では8安打で7得点という効率的な攻めを見せ、守りでは最少失点と幸先のいいスタートを切った。次は大会第8日の第2試合(25日午前11時半開始予定)で、神村…

 5年連続出場の大阪桐蔭は大会第5日の22日に登場し、北海(北海道)との初戦に勝利。攻撃では8安打で7得点という効率的な攻めを見せ、守りでは最少失点と幸先のいいスタートを切った。次は大会第8日の第2試合(25日午前11時半開始予定)で、神村学園(鹿児島)と対戦する。

 (22日、第96回選抜高校野球大会1回戦 大阪桐蔭7―1北海)

 大阪桐蔭は一、二回、いずれも先頭打者が四球で出塁したが、盗塁失敗や挟殺プレーで得点できず、先制点が近いようで遠かった。

 三回裏、安打や四球で2死満塁のチャンスをつくる。6番の岡江伸英選手(3年)が右打席に入った。2ストライクに追い込まれるなか、「何が何でも食らいつく」。4球目、外角低めに逃げていく緩い変化球に、体が泳ぎながらも、バットの先でうまく捉えた。ふらりと上がった飛球は左翼の前に落ち、走者2人が本塁に戻って、2点を先制した。

 今大会は背番号3。だが昨秋の新チーム結成後の公式戦計12試合は、7試合出場で6打数1安打、打点は0だった。岡江君は「実力不足だと分かっていた」と悔しい気持ちを抱きつつ、ウェートトレーニングなどに励み、打撃フォームを何度も見直した。

 冬を越え、今年3月初めの練習試合。ふと気付く。打席でフォームばかり気にしていたと。「投手と1対1の勝負だ」と思い直した。投手の表情やリズムに目を向けるよう意識した。すると、なぜか面白いくらい打てるようになった。

 甲子園での初戦でも、マウンドに立つ相手を見た。緊張しているのが分かった。「いける」。自分は緊張せず、落ち着けた。「チームの力になれていなかった分、貢献したかった」と放った貴重な先制適時打。一塁ベース上でホッとした笑顔を浮かべた。(西晃奈)