米大リーグ・大谷翔平選手の専属通訳を務めた水原一平氏が解雇されたことの影響は、教科書作りにも波及した。水原氏を取り上げる予定だった教科書会社もあり、一連の報道を受けて対応に追われている。 水原氏が登場する予定だったのは、教育出版の中学3年…

 米大リーグ・大谷翔平選手の専属通訳を務めた水原一平氏が解雇されたことの影響は、教科書作りにも波及した。水原氏を取り上げる予定だった教科書会社もあり、一連の報道を受けて対応に追われている。

 水原氏が登場する予定だったのは、教育出版の中学3年生用の英語教科書。文部科学省の検定を経て、22日に同省から検定合格とされていた。実際に学校現場で使われるのは25年春からだ。

 合格した教科書では「People Who Support Success(成功を支える人々)」という章で水原氏を紹介。教科書の主人公たちの会話の中で、通訳の業務だけをするのではなく、大谷選手がチームに溶け込むのを手助けしたり、私生活を支えたりしていると説明する内容だった。大谷選手とのツーショット写真も2枚掲載。主人公たちが尊敬する人物をまとめたという設定の中でも紹介していた。

 検定合格後でも文科省に訂正申請して承認されれば、中身を差し替えることができる。教育出版の担当者は、水原氏が解雇されたことや違法賭博に関与した疑いが持たれていることを報道で知り「ただただ驚いた」という。「報道されていることが事実だとすれば、内容の差し替えも含め検討せざるを得ないと考えている」と話した。(植松佳香)