米大リーグのドジャースが20日、大谷翔平選手の通訳を務めた水原一平氏(39)を解雇したと明らかにした。球団側は理由を明らかにしていないが、米メディアは水原氏が違法なスポーツ賭博に関わっていた疑いがあると報じた。大リーグが開幕した直後、球界…

 米大リーグのドジャースが20日、大谷翔平選手の通訳を務めた水原一平氏(39)を解雇したと明らかにした。球団側は理由を明らかにしていないが、米メディアは水原氏が違法なスポーツ賭博に関わっていた疑いがあると報じた。大リーグが開幕した直後、球界を代表するスター選手の通訳の突然の解雇に、米国でも驚きが広がった。

 ドジャースの広報担当者は朝日新聞の取材に「報道については認識しており、情報を収集している。球団は通訳の水原一平氏を解雇した」と認めたうえで、「現時点でこれ以上のコメントはない」と答えた。

 解雇の理由は不明だが、米ロサンゼルス・タイムズ紙は同日、水原氏が大谷選手のお金を違法賭博に使うため、「巨額の盗み」に関わっていたと報じた。被害額は数百万ドルにのぼるとしている。

 大谷選手の代理人弁護士は同紙に対し、「メディアからの最近の問い合わせに対応するなかで、翔平が巨額の盗みの被害者だったことがわかり、問題を当局に委ねた」との声明を出した。

 同紙によると、米連邦当局による違法賭博の捜査の過程で、大谷選手の名前が浮上した。その後、水原氏が捜査対象だったロサンゼルス近郊に住む胴元、マシュー・ボーヤー氏を通じて賭博に参加していたことが分かったという。ボーヤー氏の弁護士は同紙の取材に「ボーヤー氏は大谷選手に一度も会ったことはない」と話しているという。

 米スポーツ専門局ESPNは、大谷選手の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8千万円)がボーヤー氏の知人の口座に送金されていたと報じた。

 水原氏はESPNの19日の取材に、水原氏が昨年、賭博の借金の返済について大谷選手に相談したところ、大谷選手が自身の口座から送金に応じたと説明。水原氏は「彼(大谷選手)は賭博について快く思っておらず、私が二度としないよう助けてくれた」と話したという。だが、水原氏は20日になって、大谷選手は賭博や借金のことは何も知らなかったと説明を翻したとしている。