米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳を務める水原一平氏が解雇されました。水原氏が違法なスポーツ賭博に関与し、違法賭博関連口座に大谷選手の口座から少なくとも450万ドル(約6億8千万円)が送金されていたと米メディアは報じています。米ネ…

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳を務める水原一平氏が解雇されました。水原氏が違法なスポーツ賭博に関与し、違法賭博関連口座に大谷選手の口座から少なくとも450万ドル(約6億8千万円)が送金されていたと米メディアは報じています。米ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部を卒業し、米国の賭博事情に詳しい国際カジノ研究所長の木曽崇氏はスポーツ賭博について「米国で急速に流行しており、州によっては合法なギャンブルにすぎない」と話します。

 ――今回の米メディアの報道で特に着目した点は。

 まずはドジャースというカリフォルニア州に拠点があるチームで起きた話だという点です。米国では、連邦最高裁が2018年にスポーツ賭博を規制する連邦法を違憲と判断したことで各州がスポーツ賭博を合法化する動きが広まりました。

 ただ、カリフォルニア州はスポーツ賭博を認めていません。一方、(同州の)ロサンゼルスから車で約5時間のネバダ州は合法です。違法な胴元には関わらず、法で認められた州に移動して普通に自分で賭けていれば合法なギャンブルに過ぎなかったのです。

 米メディアの報道では、違法賭博の胴元への捜査の過程で大谷選手の口座からの送金が確認されたとあります。この報道の事実関係だけを見ると、捜査サイドは大谷選手が賭博に関与したのではないかと考えるのが通常です。

 一方、大谷選手の代理人弁護士は早々に、水原氏が違法賭博に使うため「巨額の盗み」に関わっていたとの声明を出しました。大リーグ機構(MLB)の規定は、関係者への野球賭博への関与のほか、違法なスポーツ賭博への関与も禁じています。まずは大谷選手が関与していないことをはっきりとした形で確認することが急がれるでしょう。