(21日、選抜高校野球1回戦、青森山田4―3京都国際) 甲子園でサヨナラ打を放った選手は、ガッツポーズする印象があった。 青森山田の6番打者・伊藤英司選手(2年)。同点の九回、1死三塁。目前にその好機が訪れると、「そのことは頭になかった」…

 (21日、選抜高校野球1回戦、青森山田4―3京都国際)

 甲子園でサヨナラ打を放った選手は、ガッツポーズする印象があった。

 青森山田の6番打者・伊藤英司選手(2年)。同点の九回、1死三塁。目前にその好機が訪れると、「そのことは頭になかった」。

 初球。「待っていた」という直球を強くたたいた打球は三遊間へ。思いが頭の隅にあったのだろう。抜けるのを確認すると、力強くガッツポーズした。

 一回の右前適時打と合わせて2安打2打点。ヒーローは、殊勝な言葉が口をついた。

 九回、前打者で中越え三塁打を放った吉川勇大選手(3年)は木製バットが注目された。「勇大さんはすごい。僕は、来年、(試合で)木製バットにできたらと思う」

 打席に向かうと、「ベンチから、次打者席の橋場さん(公祐主将=3年)から、『大丈夫だ』と声をかけてくれた」。気持ちを落ち着かせることができた。

 青森山田高に入学したのは「同学年の選手が青森山田中の硬式野球チームで日本一になって、一緒にやったら強くなると思ったから」。秋田県潟上市の中学校から入学した2年生が、青森山田に選抜大会での初勝利をもたらした。(八鍬耕造)