(21日、第96回選抜高校野球大会1回戦 東海大福岡4―5宇治山田商) 「絶対につなぐ」 3点を追う五回裏、2死満塁。東海大福岡の4番、藤本塁守(るいす)選手(3年)が気持ちを込めて初球をたたくと、右前適時打に。チームの勢いを呼び、この回…
(21日、第96回選抜高校野球大会1回戦 東海大福岡4―5宇治山田商)
「絶対につなぐ」
3点を追う五回裏、2死満塁。東海大福岡の4番、藤本塁守(るいす)選手(3年)が気持ちを込めて初球をたたくと、右前適時打に。チームの勢いを呼び、この回、同点に追いついた。
目を引くその名前は、中高時代に捕手だった父の尚宏(たかひろ)さん(46)が考えた。氏名の下3文字を読むと「本塁を守る」となる。息子も捕手になり、将来はホーム(家族)を守れるように育ってほしいとの願いが込められている。外国風なのは、将来海外に渡った時に覚えてもらいやすくするためという。
藤本選手は小学時代から捕手を続けてきたが、打撃に専念するために昨夏、一塁手に転向した。「配球が読めるので、捕手経験が打撃に生きている」という。
小中時代に所属したチームでは、尚宏さんがコーチとして指導した。今回の選抜出場が決まった時、「(自分は届かなかった)甲子園に連れていってくれ、ありがとう」と喜んだという。
初戦で敗れたが、主砲としての結果は出した。「みんなにすぐ覚えてもらえる、大好きな名前。この素晴らしい甲子園という場所にまた、父を連れてきたい」と前を向いた。(興津洋樹)