【和歌山】(20日、第96回選抜高校野球大会 耐久1―7中央学院) 昨秋の公式戦9試合すべてで完投した大黒柱だ。 耐久のエース冷水孝輔投手(3年)は「立ち上がりは硬さがあった」と一回に失点した。だが、持ち味の直球を軸に立て直す。二、四回は…

 【和歌山】(20日、第96回選抜高校野球大会 耐久1―7中央学院)

 昨秋の公式戦9試合すべてで完投した大黒柱だ。

 耐久のエース冷水孝輔投手(3年)は「立ち上がりは硬さがあった」と一回に失点した。だが、持ち味の直球を軸に立て直す。二、四回は三塁に走者を置いても内角で詰まらせ無失点。五回まで1失点のままの力投を見せた。

 だが六回、4長短打を許して3失点した。七回の攻撃で右ひじに死球を受けたあと、その裏もマウンドに上がったがさらに3失点。「完投したい気持ちはあった」。だが八回からは川合晶翔捕手(同)にマウンドを任せた。

 冷水投手は本調子ではなかった。昨秋の近畿大会後に調子を落とした。腕の振り方が変わってしまい直球の力強さが落ちた。そこから何とかフォームを修正して臨んだ甲子園だった。

 試合後、冷水投手は「アルプススタンドいっぱいの応援がうれしく、力になった」と振り返った。一方で「相手の機動力を警戒し過ぎて制球が乱れた。無駄な四球を与えてしまった」と課題を口にした。

 井原正善監督は「彼に連れてきてもらった舞台。だが、このままでは終われないという悔しい気持ちでやってほしい」と期待した。

 冷水投手も夏を見据えた。「100%の投球で勝ち上がって、ここに戻りたい」。だから、初出場した甲子園の土は持ち帰らない。(下地達也)