(20日、第96回選抜高校野球大会1回戦 創志学園7―0別海) 甲子園出場をめざし、熟考の末に遠く離れた創志学園(岡山)へ。 山口瑛太が、門馬敬治監督の就任を知ったのは、入学の2カ月後だった。「すごい強豪で簡単に入れない」と思っていた地元・…

(20日、第96回選抜高校野球大会1回戦 創志学園7―0別海)

 甲子園出場をめざし、熟考の末に遠く離れた創志学園(岡山)へ。

 山口瑛太が、門馬敬治監督の就任を知ったのは、入学の2カ月後だった。「すごい強豪で簡単に入れない」と思っていた地元・神奈川の東海大相模を春夏計4度の優勝に導いた指導者だ。「日本一」のレベルで野球を教えてもらえるのがうれしかった。

 縦じまを脱いで、無地のユニホーム姿で甲子園へ帰ってきた監督は、大事な初戦の先発マウンドを、チームの「二枚看板」のうち右腕の中野光琉ではなく、自分に託してくれた。

 帽子がずれるほど、左腕を強く振った。直球には伸びがあり、変化球もさえた。14三振を奪い、被安打4で今大会初完封の「栄誉」を手にした。

 でも、頂点への道程を知る54歳の評価は厳しかった。「どんどん、もっと攻めていけるピッチャー。途中、それができなかった」

 自己採点も「65点」。制球が乱れ、ピンチを背負った中盤を悔やんだ。「監督さんからしたら足りないと思う」

 エースナンバーを背負う自分への期待は、より高みにあると分かっている。(高橋健人)