(19日、第96回選抜高校野球大会1回戦 明豊1―0敦賀気比) 投手戦で互いに無得点のまま迎えた九回裏2死一、二塁。明豊(大分)の石田智能(ともよし)は「投手が頑張っていた。絶対に決める」。 捕手として2投手を好リードしてきた4番打者は、…

 (19日、第96回選抜高校野球大会1回戦 明豊1―0敦賀気比)

 投手戦で互いに無得点のまま迎えた九回裏2死一、二塁。明豊(大分)の石田智能(ともよし)は「投手が頑張っていた。絶対に決める」。

 捕手として2投手を好リードしてきた4番打者は、狙っていた直球をはじき返した。

 引っ張った強い打球は、二塁手のグラブをはじいて右前へ。俊足の二塁走者、木村留偉も好走塁を見せ、本塁へ滑り込んだ。好返球が捕手のミットに収まったが、ぎりぎりでタッチをかわし、サヨナラ勝ちとなった。

 「足の速い木村だったので、間を抜ければ1点が入ると思った」。石田はそう言って、甲子園の勝利をかみしめた。

 昨夏の甲子園は苦い経験で終わった。

 初戦の1回戦。北海(南北海道)と点の取り合いになった。延長十回タイブレークの末、明豊は8―9で逆転サヨナラ負けを喫した。

 当時、「6番・一塁」で出場していた石田は4打数1安打2打点。「勝てそうな試合から負けてしまって、先輩の分まで勝ちたい気持ちが強くなった」と、この大会での雪辱を期している。

 「きょうは投手に助けてもらった。次の試合は打者陣が助けたい」