第96回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の開会式が18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、阿南光(徳島県阿南市)の選手たちが堂々と行進した。 阿南光は再編統合前の新野(あらたの)以来、32年ぶり2回…

 第96回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の開会式が18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、阿南光(徳島県阿南市)の選手たちが堂々と行進した。

 阿南光は再編統合前の新野(あらたの)以来、32年ぶり2回目の出場を果たした。プラカードを掲げた野球部員の田村逸暉さん(2年)を先頭に、選抜旗を携えた井坂琉星(りゅうせい)主将(3年)ら出場選手20人が入場。「阿南光高校 徳島」とアナウンスが流れると、スタンドの観衆から拍手が起こり、選手たちは両腕を力いっぱい振ってグラウンドを進んだ。

 選抜直前に阿南市で5日間合宿した日本航空石川(石川県輪島市)の選手たちも、甲子園の土を元気よく踏みしめた。

 グラウンドに整列した出場32校の選手と観衆は、能登半島地震で亡くなった犠牲者のために黙禱(もくとう)を捧げた。

 開会式の後、阿南光の井坂主将は報道陣に「小さい頃からテレビで見てきた甲子園の舞台に、自分たちが出られたのは光栄で感動した」と笑顔を見せた。黙禱の際には「大きな地震が起きた中での選抜なので、自分たちのプレーで(被災者らを)元気づけ、勇気を与えたい」と心の中で誓ったという。

 さらにチーム状態について「練習試合を通じて順調に仕上がってきている。自信を持って、19日の初戦に臨みたい。応援してくださる皆さんに恩返しできるように全力プレーし、勝って校歌を歌いたい」と意気込んだ。(吉田博行)