(18日、第96回選抜高校野球大会1回戦 青森・八戸学院光星5―3東京・関東第一) 高校野球が、大きく変わる。選抜の開幕試合で、強くそう思わされた。もちろん、新基準の低反発バットの導入によるものだ。 八戸学院光星は1点を追う七回に1死から…

 (18日、第96回選抜高校野球大会1回戦 青森・八戸学院光星5―3東京・関東第一)

 高校野球が、大きく変わる。選抜の開幕試合で、強くそう思わされた。もちろん、新基準の低反発バットの導入によるものだ。

 八戸学院光星は1点を追う七回に1死から死球で走者が出た。打席に入った5番の佐藤凌は、送りバントのサインに「来ると思った」。2球目で成功させ、その後の代打・小笠原由宇の同点適時打につなげた。

 佐藤は「低反発バットに変わってから、練習試合ではよくバントをするようになった」と明かす。仲井宗基監督は「しっかり芯で捉えれば飛んでいく」としつつ、「ヒットは続かない。連打、連打というのは大間違い」。

 大会前、新基準のバットについて、どの指導者からも「打球が飛ばない」という声が聞かれた。この試合、外野の頭上を越す当たりは1本だけ。試合が進むにつれて外野手の守備位置は浅くなった。外野に上がったと思われた打球が伸びず、内野手のグラブに収まることもあった。

 左翼手の渡部主衣が言った。「外野陣の中で『(守備位置は)前で良いよね』という話になり、少しずつ前にポジションを変えていった」。遊撃手の竹田智紀は「フライが失速する。違和感がある」と苦笑いした。

 タイブレークに入って互いに得点を挙げたが、それまでは1点を取ることに必死だった。4番の山本優大は、バントで好機を広げようとした関東第一の4番打者を見て、「確実に得点がほしい場面なら自分もバントをやっていかなければ」。

 「飛ばないバット」は、攻守に、そして戦術にも大きな影響を与えそうだ。(室田賢)