■大相撲春場所6日目(15日、エディオンアリーナ大阪) 横綱照ノ富士は隆の勝に寄り切られ4敗目を喫した。大関陣は霧島と貴景勝、琴ノ若がそれぞれ白星を挙げたものの、豊昇龍は翔猿に寄り切られて2敗に後退した。全勝は平幕の大の里と新入幕の尊富士。…

■大相撲春場所6日目(15日、エディオンアリーナ大阪)

 横綱照ノ富士は隆の勝に寄り切られ4敗目を喫した。大関陣は霧島と貴景勝、琴ノ若がそれぞれ白星を挙げたものの、豊昇龍は翔猿に寄り切られて2敗に後退した。全勝は平幕の大の里と新入幕の尊富士。阿炎、湘南乃海が1差で追う。

■100秒の熱戦

 結びの1時間ほど前。大関経験者2人が土俵中央で頭をつけ、動きを止めた。

 やや早く、前に出ようとした高安を御嶽海が押し返す。互いにいなし、いなされ、前には落ちない。直径15尺(約4・5メートル)の円をいっぱいに使った約100秒の攻防だった。

 34歳の高安を押し出した御嶽海は31歳。「まだ若いから、長い相撲で負けられないですよね」と、息も絶え絶えだった。

 2月、東京都内のホテルで結婚披露宴を開いた。2年前に結婚していたがコロナ禍で延びていた。式中、昨年亡くなった父・大道春男さんの写真を母マルガリータさんが抱いていたという。

 披露宴はもう一つお祝いを兼ねるはずだった、と明かす。「大関昇進」だ。

 2年前の春場所で、御嶽海は大関デビューした。新大関は後援者らを招いて昇進披露宴を開くのが習わしだが、これもコロナで延期に。4場所限りで大関の地位を失い、白紙になった。

 いま西前頭10枚目。「フランクな大関になりたい」と周囲を笑わせていた男が、「元気がなくなってきた」とこぼしている。

 でも、体にテーピングはほとんどない。幕内前半で相撲を取っている場合ではない。(鈴木健輔)

 ○尊富士 新入幕で6連勝。「納得できる相撲かなと。集中してやれました。内容は日に日に良くなっていると思います」

 ○翔猿 大関豊昇龍を破る。「まだまだだけど、良いきっかけにはなると思う。(7日目の横綱戦は)思い切りやるだけ」

 ○大の里 6連勝。今後に向けて、「相手が強くなってくるし、疲労も出てくると思うのでけがをしないようにしたい」。