プロ野球・福岡ソフトバンクホークス元監督の工藤公康さん(60)が14日、福岡市博多区の東福岡高校を訪れ、特進英数コースの1、2年生110人に、選手や監督として学んだコミュニケーションの取り方や失敗した時の正しい向き合い方についてアドバイス…

 プロ野球・福岡ソフトバンクホークス元監督の工藤公康さん(60)が14日、福岡市博多区の東福岡高校を訪れ、特進英数コースの1、2年生110人に、選手や監督として学んだコミュニケーションの取り方や失敗した時の正しい向き合い方についてアドバイスした。

 同校の職業探究授業の一環で、「本物」に触れ、将来につながるきっかけをつくる狙いがある。「今一番話を聞きたい大人は誰か」を生徒たちが話し合い、生徒自身が直接アポイントを取る流れ。「監督として選手の可能性を広げる姿に感銘を受けた」として、昨年10月、工藤さんにオファーし、実現した。

 工藤さんは監督時代、選手を緊張させないように、失敗しても「怒ったり、顔に出したりしない」ことを心がけたことを披露。選手の性格や経歴を把握し、「失敗したら、どう伝えたらいいか」を考えることがコミュニケーションに必要な要素だと説き、「自分の周りに置きかえて考えてほしい」と語りかけた。

 また、現役時代に数多くの失敗から「自分と向き合うこと」を学び、文句を言ったり人のせいにしたりする習慣が消えていったという。

 2年の平原大和さん(17)は工藤さんの「人生に答えはない」のフレーズが響いたといい、「問題に直面しても、情熱を持ち続けていくことの大切さを知った」と感慨深げ。コース責任教諭の柴田大輔さん(38)は「指導者とは導く人であり、共に進むことに納得した。生徒たちもリーダー論を勉強できたのではないか」と話した。(前田伸也)