第96回選抜高校野球大会は、経験豊富な右腕が多い。 2年の春夏と甲子園の土を踏んでいる広陵(広島)の最速148キロ右腕・高尾響は、打者の手元でホップする直球で、66回あまりを投げて66三振と奪三振率も高い。昨秋は安定感に欠けたが、この冬フ…

 第96回選抜高校野球大会は、経験豊富な右腕が多い。

 2年の春夏と甲子園の土を踏んでいる広陵(広島)の最速148キロ右腕・高尾響は、打者の手元でホップする直球で、66回あまりを投げて66三振と奪三振率も高い。昨秋は安定感に欠けたが、この冬フォーム改善に取り組み、状態を上げてきた。

 昨春の準優勝に貢献した報徳学園(兵庫)の今朝丸(けさまる)裕喜(3年)は、最速151キロの直球と落差のあるフォークが持ち味だ。1年生から注目されてきた作新学院(栃木)の小川哲平(3年)も最速147キロの直球に加え、制球力が高い。

 大阪桐蔭は平嶋桂知(かいち)(3年)が今大会に出場する投手で最速の154キロ。身長189センチの2年生、森陽樹も150キロ超の速球を武器に成長しており、チーム内の競争が激しい。

 四国王者の高知は高いレベルの継投が確立している。最速145キロで変化球の精度も高い辻井翔大(3年)から最速148キロの平悠真(3年)へ。平は昨秋の登板7試合が全て救援だった。

 青森山田も右腕のダブルエースがしのぎを削る。背番号1をつける関浩一郎(3年)は最速146キロで完投能力がある。桜田朔(3年)は昨秋の東北大会決勝でノーヒットノーランを達成した。

 左腕では、星稜(石川)の佐宗翼(3年)が多彩な変化球を武器に完成度が高く、1試合当たりの与四死球率は1・62個。八戸学院光星(青森)の洗平(あらいだい)比呂(3年)も1、2年生の夏に甲子園を経験している実力派だ。

 健大高崎(群馬)の左腕・佐藤龍月(りゅうが)(2年)は15歳以下日本代表の経験があり、昨秋は6試合で2完投、防御率0・82と安定感が光る。(大坂尚子)