【和歌山】第96回選抜高校野球大会に76年ぶりに出場する田辺と、1905年の創部以来、春夏通して初出場の耐久の選手たちがそれぞれ13日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)での公式練習に臨んだ。田辺は開幕日の18日に星稜(石川)と、耐久は20日…

 【和歌山】第96回選抜高校野球大会に76年ぶりに出場する田辺と、1905年の創部以来、春夏通して初出場の耐久の選手たちがそれぞれ13日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)での公式練習に臨んだ。田辺は開幕日の18日に星稜(石川)と、耐久は20日に中央学院(千葉)と対戦する。

 田辺は、ノックをしたあと守備をつけた打撃練習に取り組んだ。エースの寺西邦右(ほうすけ)投手(3年)は初めての甲子園のマウンドについて、「思っていたよりも少し高くて傾斜がなだらかに感じた」。試合を想定し、「高めに浮かないようにたたき込む意識」で丁寧に投げ込んだ。

 昨秋、4番打者を務めた山本陣世選手(同)は「学校より打球音や声がよく響いてめっちゃ気持ち良かった。チームを救うバッティングをしたい」と意気込んだ。山本結翔主将(同)は「グラウンドに入ったとき壮大さに圧倒されたが、チームはいつも通り練習できていた」と話した。

 田中格監督は「対戦相手が決まったときも、今日も、選手たちは冷静だった。このまま、試合に送り出したいと思う」とチームの雰囲気を語った。

 一方の耐久は守備練習のみに集中した。特にエース冷水(しみず)孝輔投手(3年)が多めに時間を使い、念入りにマウンドの感覚をつかもうとしていた。冷水投手は「甲子園のマウンドは自分にあっていて投げやすかった。調整もバッチリできた。気負わずに自分の投球がしたい」と意気込んだ。

 赤山侑斗主将(同)は、「観客席がすごくて、本当にワクワクした」という。「ここまできたら、技術より気持ち。チーム一丸で頑張りたい」と語った。

 この日、40歳になった井原正善監督は「誕生日に初めて甲子園のグラウンドに立てた」と喜んだ。甲子園での練習については「うちは守備中心だから、今日はそこを重点的にやった」と話した。また、初戦に向けては、「試合まで落ち着いて、浮つかないようにやっていきたい」と気を引き締めていた。(下地達也)