「平成29年度全日本学生テニス選手権大会(男子85回/女子61回)」(岐阜県・岐阜メモリアルセンター/予選8月3~5日、本戦8月7~14日/ハードコート)の本戦7日目、8月13日は男女シングルスと男女ダブルスの準決勝が行われ、シングルス、ダ…

「平成29年度全日本学生テニス選手権大会(男子85回/女子61回)」(岐阜県・岐阜メモリアルセンター/予選8月3~5日、本戦8月7~14日/ハードコート)の本戦7日目、8月13日は男女シングルスと男女ダブルスの準決勝が行われ、シングルス、ダブルスともに決勝進出者が決まった。◇   ◇   ◇

 第4シード森崎可南子(筑波大3年)と第15シード江代純菜(慶應義塾大4年)の準決勝は、江代が6-3 6-2で勝利をつかんだ。「どんなときでも引くことなく、(ポイントを)取りにいく姿勢で戦えた」と江代が試合を振り返った。

 昨年末のインカレ室内では森崎が勝っていたが、球足の速いサーフェスだった。「ここは遅いので、私のプレーが活きる」と江代。ムーンボールを巧みに操り、低い弾道のボールを織り交ぜながら、緩急をつけたプレーで森崎のミスを誘った。

「勝ちを意識して硬かった」と森崎。江代がどんなプレーで挑んでくるかは十分にわかっていた。後ろに下がることなく、しっかりと前でさばいて対応したものの、そこでミスが出てしまった。「攻めてのミス。そこは成長した部分だと思う」と森崎が前を向いた。

(写真)ベスト4に終わった森崎

 前日の準々決勝、牛島里咲(3年)との筑波大対決はひとつのヤマだった。大一番を乗り越え、ひと息ついてしまったかという質問に、「つきすぎました」と苦笑した。「ここまで来たからには勝ちたかった。(優勝は)来年に持ち越しです」と自分に言い聞かせるように話した。

 もうひとつの準決勝、第3シードの押野紗穂(慶應義塾大3年)とノーシードから勝ち上がった清水映里(早稲田大1年)の一戦は、6-1 6-1のストレートで清水が勝利した。「相手はガッツのある選手。リードしていても余裕はなかった。1ポイント1ポイント、気持ちを引き締めながら戦った」と清水が安堵の表情を見せた。

(写真)準決勝に快勝した清水

 第1セットも、第2セットも、清水が4-0とリードを広げ、試合の主導権を握った。スピンの効いた重いボールを左右に深く打ち込み、押野の攻撃を許さなかった。「フォアがいつも以上に調子がよく、自信を持って打っていけた」と清水。1年生とは思えない堂々としたプレーだった。

 押野は「簡単すぎる負け。スコアも内容も主導権を握られたまま終わってしまった」と悔しさいっぱい。「相手のプレーもよかったが、いつもより後ろに下がってしまい、甘い返球になってしまった」と唇をかんだ。

 何とか反撃に転じようとはしたが、自信を持って打ち込んでくる清水の勢いを止められなかった。わずか2ゲームの完敗劇だが、この悔しさを今後の練習、試合にぶつけるつもりだ。「リーグ、王座に向け、絶対に勝つという気持ちで練習するしかない」と巻き返しを誓った。

(写真)「攻めのプレーができなかった」と押野

 明日の決勝は、清水と江代の早慶対決となった。1年生と4年生がタイトルをかけて争う。レフティー清水の力強いストロークと江代の緩急のついた粘り強いプレー。どちらが勝つにしろ、激しい戦いとなりそうだ。

 ダブルス決勝は、第1シードの米原実令(筑波大4年)/森崎と第2シードの村瀬早香(慶應義塾大4年)/押野、トップ2シードの対決となった。

 明日の大会第8日/最終日は、男女シングルス決勝が10時からスタートし、そのあとに男女ダブルス決勝が行われる予定。(テニスマガジン/編集部◎牧野 正)

※トップ写真は、最後のインカレで決勝進出を決めた江代純菜(慶應義塾大4年)