1Q2Q3Q4Q計早大11406慶大231410▽得点者征木2、齊藤、脇田、星川、五十嵐 前日の東大戦で六大学交流戦(六大戦)の初勝利を挙げた『柏原組』。連勝を目指して、六大戦3試合目は慶大を相手に迎えた。慶大とは早慶定期戦(早慶戦)でも…

 1Q2Q3Q4Q
早大
慶大10
▽得点者
征木2、齊藤、脇田、星川、五十嵐

 前日の東大戦で六大学交流戦(六大戦)の初勝利を挙げた『柏原組』。連勝を目指して、六大戦3試合目は慶大を相手に迎えた。慶大とは早慶定期戦(早慶戦)でも対戦が控えており、今年こそ早慶戦で勝利を収めたい早大にとっては、重要な前哨戦となった。因縁の相手を撃破したい『柏原組』だったが、序盤から慶大のペースに押されてリードを許す展開となる。しかし3点ビハインドで迎えた第3Qで、AT柾木凛々子(政経4=東京・頌栄女学院)などのゴールで同点に追いついた。念願の勝利が近づいたように見えたが、勝負の最終Qで4得点を許し敗戦。昨年に引き続き、六大戦で慶大から勝利を挙げることはできなかった。

 流れをつかみたい第1Q。開始3分にAT星川陽恵(スポ4=埼玉・浦和一女)がゴール前でボールを受け、冷静にゴールに流し込み先制。難敵突破に向け、大事な先制点をものにした。だが、その後はフリーシュートを決められ同点に追いつかれると、13分には自陣でクリアミスの隙をつかれて勝ち越し点を献上。1点ビハインドで第1Qを終えた。

 第2Q開始2分、AT征木が果敢に敵陣に攻め込むと、相手ディフェンスの反則を誘いフリーシュートを獲得。追撃ゴールを決め、1点ビハインドで食らいつく。しかし第1Q同様、ボールを支配していたのは慶大だった。素早く正確なパス回しで、早大ディフェンス陣を乱していく。5分には早大がクリアを試みる中、クロスで早大のパスを弾きボールを奪取。ゴール前に運びそのままシュートを決めた。その直後にも早大のパスをカットして、速攻を仕掛ける。まだ陣形が整っていない早大ディフェンス陣は対応することができず、点差は2点に。第2Q終盤には、早大が反則により退場者を出し数的不利になると、慶大はゴール前のパス回しから追加点を奪った。


フリーシュートに臨むAT柾木

 2-5と3点リードを許し、試合は後半へと進んでいく。来る早慶戦に向け、意地を見せたい早大は第3Q3分。昨年からMFの主力として攻撃陣を引っ張るMF脇田萌衣(教4=東京・白百合学園)がフリーシュートを決めて2点差に詰め寄った。しかし直後のドローから慶大につながれて失点を許す。それでも『柏原組』は粘りを見せた。9分には再びAT征木がゴール前に切り込みパスを受け、即座にシュート。「慶大の苦手なところをつくことができた」とAT征木のこの日2得点目のゴールで4-6とまたも2点差に。さらにMF斉藤莉果子(先理4=東京・小山台)がゴール脇から回り込んでシュートを放ち、ついに1点差にまで迫った。慶大を追いかけてゴールに攻め込む攻撃陣。そして終了間際にMF五十嵐杏子(文3=神奈川・相模原)がフリーシュートのチャンスを得た。この時点で第3Qの残り時間は数秒。プレー開始のホイッスルと同時にMF五十嵐は相手ゴーリーの前に駆け寄ると、隙をついてゴール。学年キャプテンとして同期をけん引してきたMF五十嵐の、起死回生のゴールでついに同点に追いついた。

 一進一退の攻防が繰り広げられてきたこの試合も、残すは最終第4Qのみ。全てが決まる15分で先手を取ったのは慶大だった。敵陣でライドを成功させ、ボールを奪取すると勝ち越しとなるゴールを奪う。反撃したい早大は直後のドローをMF神谷彩乃(文構2=神奈川・桐蔭学園)が取ると、パスをつないでAT水野文萌(創理3=埼玉・早大本庄)がシュートを放ち、ゴールを捉えるも相手ゴーリーに阻まれた。その後もAT水野、AT八澤百子(スポ3=東京女学館)を中心に再三シュートを打ち続けるも、相手ゴーリーのセーブやゴールポストに阻まれ、最後まで決め切ることができなかった。逆に慶大のオフェンスに翻弄(ほんろう)され、立て続けに得点を許して終わってみれば6-10で敗北。一時は捉えたかのように見えた慶大を下すことはできなかった。


ドローに臨むMF神谷

 昨年の六大戦、早慶戦に続いて宿敵相手に悔しい結果となった早大。昨年は終盤の猛攻で1点差まで追い詰めるも、あと一つが届かずに悔し涙を飲んでいた。それだけに今年こそは、という思いでチーム全員が臨んでいるはずである。この日も一時は3点差をつけられたが、『不屈』の通り粘り強い反撃で追いついた。昨年は届かなかった慶大の背中を、僅かな時間ではあるが、捉えてみせた。そしてMF脇田やMF田中美亜(スポ4=東京・国立)など攻撃陣の多くが昨年の大舞台を経験していることもあり、戦力的に見ても慶大と対峙(たいじ)するには申し分ないだろう。あとは早慶戦までの数カ月間で、船出をしたばかりの『柏原組』がどこまでチームとして成長していくことができるかが大きなポイントである。残り2戦となった六大戦。その先に控える大舞台を制するために、いいかたちで締めくくれるか注目したい。

 

(記事 廣野一眞、写真 髙岡紗也、長屋咲希)

 

コメント

AT柾木凛々子(政経4=東京・頌栄女学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 得点シーンは早大にもたくさんあったと思いますが、決め切る力が慶大との一番の差だったと思います。

――2得点を挙げられましたがご自身のプレーはいかがでしたか

 早慶戦の前哨戦のようなものだったので、かなり気合いは入れていました。慶大の苦手な部分をうまく突いたプレーができたと思います。

――早大のオフェンスで良かったこと、悪かったことを教えてください

 最近はチームでコミュニケーションをとることを意識していて、それはできたと思います。やはり先ほど申し上げた通り、決め切る力が早大には全然足りていないなと思いました。

――次戦に向けて一言お願いします

 早慶戦で慶大にリベンジを果たすには、残りの二戦は絶対に勝たなければいけないと思うので、緊張感を持ってやりたいです。