各地区の予選を勝ち抜いた精鋭たちの中から学生日本一のアーチャーを決める全日本学生個人選手権(インカレ)が2日間にわたって開催された。早大からは男子2人、女子6人の計8人が出場した。1日目に行われた予選ラウンドで、大会記録を更新した園田稚女…

 各地区の予選を勝ち抜いた精鋭たちの中から学生日本一のアーチャーを決める全日本学生個人選手権(インカレ)が2日間にわたって開催された。早大からは男子2人、女子6人の計8人が出場した。1日目に行われた予選ラウンドで、大会記録を更新した園田稚女子主将(スポ3=エリートアカデミー)が好調を維持し、2位に入賞した。2020年大会で準優勝した中村美優コーチ(令4スポ卒=北海道・旭川北)に続く早大アーチェリー部女子2人目の快挙となった。

 雨の中始まった大会1日目。まずは予選ラウンドが行われた。1人72射を射ち、その合計点で順位が決定され、上位の64名が2日目の決勝ラウンドに出場する。午前に行われたリカーブ男子には山下健友男子主将(スポ3=愛知・東海)と丸尾風瑛(スポ2=福岡・柏陵)が出場した。山下男子主将は第1エンドで31点と調子を出し切れず、前半を117位で終える。後半は点数を伸ばしたものの、合計537点で109位。決勝ラウンド進出とはならなかった。一方、昨年のインカレで予選敗退に終わった丸尾は、「今日はきちんと集中できた」と前半305点。後半は雨が止んだことで、さらに点数を伸ばし、21位で決勝ラウンドに駒を進めた。そのあとに行われた女子の予選ラウンドでは、園田が圧倒的な強さを見せつける。全てのエンドで首位を維持し、結果664点。大会記録を更新しての予選1位通過を決めた。園田のほかにも、髙見愛佳(スポ4=エリートアカデミー)、渋谷樹里(スポ2=エリートアカデミー)、塚本美冴(スポ3=東京女学館)が予選通過圏内に入り、早大勢は計5名が決勝ラウンドに進むこととなった。笹原萌央主務(人3=東京・東洋英和女学院)、髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)は惜しくも決勝進出とはならなかった。


予選ラウンドで行射する髙橋

 迎えた2日目は、晴れているものの風が強く、「フォームが崩れてしまうことがあり、とても嫌な風だった」と丸尾は振り返る。決勝ラウンドはトーナメント方式6ポイント先取した方が勝者となる。5-5の同点となった場合はシュートオフとなり、それぞれ1射を射つ。より中心に近く射った方が勝者となる。予選ラウンドの順位に基づいてトーナメントの位置が決定され、1回戦が始まった。園田は危なげなく6-0で勝利。丸尾も初めのセットは落としたものの、その後のセットをしっかり取りきり、6-2で勝利した。渋谷は「緊張していた」と振り返った初戦、交互にセットを取り合う展開となる。セットカウント3-5と後がない状況で迎えた5セット目を26-23で取り、シュートオフに持ち込んだ。1射で勝敗が決する緊張感の中、放った矢は相手より中心に入り、見事に接戦を制した。髙見と塚本はそれぞれ2-6、0-6で敗れ、初戦で姿を消すこととなった。2回戦は運悪く、園田女子主将と渋谷の同士討ちに。互いに点が伸び悩む中、園田が6-2で渋谷を下し、3回戦へとコマを進めた。敗れた渋谷は「自信をもって射てなかった」と振り返った。丸尾は5セットすべてで25点以上と安定感のある行射を見せ、7-3で勝利した。


決勝ラウンド1回戦でガッツポーズをする渋谷

 3回戦、園田女子主将は以前から意識している他校の選手として名前を挙げていた渡邉麻央(日体大)との対戦。初め、園田女子主将が30金(3射全て10点に入れること)を決め、第1セットを奪取。勢いに乗ったと思われたが、相手もなかなか点を落とさず、簡単にセットを取ることができない。4セット目を園田が1点差で取り、5-3と王手をかけると、5セット目は26-26の同点に。ライバル同士の対戦は園田に軍配が上がった。園田は「ここで勝ったから次も勝とうと思えたので戦えてよかった」と試合を振り返った。丸尾は予選を5位で通過した西川晴貴(愛産大)との対戦。初めの2セットを奪われるも、3セット目は意地を見せ、取り返す。しかし、4セット目は相手が勝り、ベスト8進出とはならなかった。試合後悔しそうな表情を見せた丸尾だったが、9位という結果に対しては「少し嬉しい」とはにかんだ。


決勝ラウンドで行射する丸尾

 早大勢最後の1人となった園田だったが、準々決勝、準決勝と相手にセットを先取された後の勝負強さが光り、どちらも逆転勝ち。決勝戦進出を決めた。決勝戦では早大のチームメイトはもちろん、大学の垣根を越えて多くの人が園田を応援し、会場は熱気に包まれた。応援を受けて「やっぱり勝ちたいと思った」と臨んだ決勝は1年生の道添彩芽(近大)との対戦。第1セットで園田は珍しく3点と大きく外す射があり、相手にセットを先取される。「気合を入れなおした」と挑んだ第2セット、試合を振り出しに戻す30金を決める。しかし相手は動じることなく第3セットを29点で取り、4-2で優勝に手をかける。勝負の第4セット、園田は1点差で敗れ、惜しくもインカレ女王とはなることができなかった。


決勝戦で行射する園田

 「自分の弱いところが出た決勝だった」と振り返った園田だったが、「課題点を洗い出して修正していきたい」とすでに次の試合を見据えているように見えた。園田に限らず昨年のインカレに出場した部員の多くが昨年よりも順位を上げており、これは夏の練習の成果が出ている証拠であろう。来月の全日本ターゲット選手権や、その先の63代として臨む関東大学リーグ戦や全日本学生王座決定戦を見据えて、このインカレを糧に、63代アーチェリー部はさらに成長していくに違いない。


表彰式で笑顔を見せる園田

(記事 梶谷里桜、写真 星野有哉、梶谷里桜、丸山勝央、渡辺詩乃)

結果

▽リカーブ男子

◇予選ラウンド ※ボーダー:594点・上位64名が決勝ラウンドに進出

丸尾 21位 622点

山下 109位 537点

◇決勝ラウンド

1回戦

〇丸尾6-2豊島(長崎国際大)

2回戦

〇丸尾7-3竹中(近大)

3回戦

●丸尾2-6西川(愛産大)

◇最終結果

丸尾 9位

▽リカーブ女子

◇予選ラウンド ※ボーダー:566点・上位64名が決勝ラウンドに進出

園田 1位 664点

髙見 31位 601点

渋谷 33位 596点

塚本 55位 577点

髙橋 75位 552点

笹原 100位 506点

◇決勝ラウンド

1回戦

〇園田6-0海士部(岡山大)

〇渋谷6-5西嶋(日体大)

●髙見2-6塩見(甲南大)

●塚本0-6樋口(近大)

2回戦

〇園田6-2渋谷(早大)

3回戦

〇園田6-4渡邉(日体大)

準々決勝

〇園田6-2朝久野(近大)

準決勝

〇園田6-4肥沼(東京国際大)

決勝

●園田2-6道添(近大)

◇最終結果

園田 2位

渋谷 17位

髙見 33位

塚本 33位

コメント

園田稚女子主将(スポ3=エリートアカデミー)

――久々の夢の島公園アーチェリー場での大会はいかがでしたか

 予選もいい感じに射つことができてちょっと自信に繋がったかなと思うのと、決勝トーナメントでは普段決勝の試合がないので、ここで決勝まで行けたというのも自分にとっていい経験になったなと思います。

――予選ラウンドでは大会記録を更新しての1位通過でした。好調の要因はありますか

 昨年の11月の選考会(ナショナルチーム選考会)に落ちてから、いろいろ自分の練習を見つめ直して改善する点も多くあったので、それを改善して練習した結果がここで良い結果として現れたと思います。そこで1回負けたことがきっかけで、自分が今いい調子でいられているのかなと思います。

――3回戦では以前ライバルとおっしゃっていた渡邉麻央選手(日体大)との試合でした。振り返っていかがですか

 すごいやりづらいなと思ったのですが、いずれ当たりますし、ライバルですけど当たると苦手な選手でもあるので、その選手に勝つことができたことは自分にとって自信になりました。またここで勝ったからしっかり次も勝とうと思うことができたので、戦えてよかったなと思います。

――準々決勝でも準決勝でもはじめ相手にセットを先取されてからの勝利でした。振り返っていかがですか

 最初からいい調子を出すのが苦手なんだな、と自分の苦手なところがわかったのもありますし、1回(セットを)取られてから「ちゃんと射たなきゃ」と自分を見つめ直す時間にもなりました。結果勝てたのでよかったですが、これからはそういう小さなミスも減らしていけるようにしたいなと思いました。

――決勝戦では初めのエンドで点を落としたものの、次のセットで見事30金をとりました。意識されたことはありますか

 1回目ですごく大きいミスをしてしまって「恥ずかしいな」と思ったので、2セット目できちんと気合いを入れ直したことが30金の要因かなと思います。

――応援の力はどう感じましたか

 早稲田大学じゃない方も応援してくれたので、やっぱり勝ちたいなと思いました。(決勝戦で)勝ってみんなに「ありがとうございました」と言いたかったんですけど、それができなかったので悔しいです。

――2位という結果はどのように受け止めていらっしゃいますか

 自分の弱いところが出た決勝だったなと思ったので、課題点をここから洗い出して、修正したいです。これから全日(全日本ターゲット選手権)や選考会が続くのでそこでいいパフォーマンスができるように自分で見直して練習していきたいなと思います。

丸尾風瑛(スポ2=福岡・柏陵)

※前半の質問は1日目の予選ラウンド終了後にインタビューしました

――関東個人選手権では集中できなかった、とおっしゃっていましたが、今日はどうでしたか

 今日はきちんと集中できて、練習、1エンド目、2エンド目はとてもいい感じでした。そこで点数が高かったので、緊張してしまって3エンド目、4エンド目少し(点数が)下がって、そのまま少し引きずってしまいましたが、その後は気楽に打てたかなと思います。途中緊張しちゃったかなというくらいです。

――前半から後半に向けて点を上げて、結果21位でした。前半と後半で違ったところはありましたか

 前半雨が降っていて、自分は元々緩んで下に射つことが多いんですけど、雨と風でそれがもっと低いところに行ってしまったことで点数が少し下がってしまいました。後半は射ち方は変わらないのですが、雨が止んだから点数が上がったのかなと思います。

――試合中笑顔が見られましたが、どんなことを考えて射っていましたか

 ずっと緊張していたのもあって、 他の近くの的の人とかが「緊張してるの?」って話しかけてくれて笑顔になることがありました。

――遠藤宏之監督(平4政経卒=東京・早大学院)がスコーパーを務めていらっしゃいましたがいかがでしたか

 とても心強かったです。的確なお声かけをしてくださるので、とても良かったです。特に射って帰ってきたときのお声かけを毎回してくださるので、それがとても良かったなと思います。

――初めての決勝ラウンド進出となりました。明日に向けて意気込みをお願いします

 調子は悪くないので、しっかり自分の射を打って自信もってできるところまで上がれたらなと思います。

※ここからの質問は2日目の決勝ラウンドを終えてインタビューしました

――風は射っていてどうでしたか

 矢が流されるというよりは手前の自分の体が揺らされるという感じで射っていたのでとてもやりにくかったなと思います。向こう側で矢が振られるだけだったらエイムオフしたりっていう対処ができるんですけど、こっち側で吹かれるとフォームが崩れてしまうことがあるのでとても嫌な風でした。

――決勝ラウンドを終えていかがですか

 全体的にずっと緊張していてあんまりうまく行かないこともあったんですけど、しっかりと射つ射はしっかりと射って、点数10点決めることができた時もあったのでまあまあ良かったんじゃないかなと思います。

――9位という結果をどう感じていますか

 去年のインカレが予選落ちだったので、少し嬉しいかなと思います。去年の割にがんばったんじゃないかなと思います。

渋谷樹里(スポ2=エリートアカデミー)

――初めての決勝ラウンドはいかがでしたか

 初戦から知っている選手ではあったんですが緊張していて、シュートオフまでいったんですけど、風強い中でちゃんと射つことができた射も多かったので初戦はよかったかなと思います。2戦目は風も強かったし、同じチームの(園田)稚さんというのもあって緊張もありますけど、自信をもって射てなかったというのがあります。

――予選ラウンドを振り返って

 そんなにすごくいい点数ではないですけど、最近の練習とあまり変わらない点数を射てたので自分的には今の実力の中では満足な方だと思います。ミスは少なかったのですが、あまり黄色(9〜10点)に入れることができなかった感じがしたので、そこは課題だなと思います。

――決勝ラウンドの初戦では交互にセットを取り合う展開になりました。試合中はどんなことを考えて射っていましたか

 風が強かったので射つのが遅くなって有利なこともないですし、「射ったもん勝ちだ」という強い気持ちで試合に臨んでいました。

――今年の春などに比べて点数が上がっているように感じます。要因はありますか

 1年生のときからあまり成績が出ていなくて、うまくできなかった分、考える機会は多く得られた1年だったので、落ち着いて自分のアーチェリーと向き合ってきたからちょっとずつ上がってきたのかなと感じます。あまり焦ることなく競技に取り組めているからかなと思います。

――今後への意気込み

 今年は全日(全日本ターゲット選手権)に出ることができないので、来年のリーグ戦や王座(全日本学生王座決定戦)で王座制覇ができるようにしっかり点数も上げていって技術でも安定していけたらいいなと思います。