8月6日から13日に夏季合宿を行い、個々の課題と向き合ったアーチェリー部。今回の関東学生個人選手権本選(本選)では予選で出場権を獲得した10名の内、男子3名、女子6名の計9名が出場した。本選の点数は9月の22日から24日に行われる全日本学…

 8月6日から13日に夏季合宿を行い、個々の課題と向き合ったアーチェリー部。今回の関東学生個人選手権本選(本選)では予選で出場権を獲得した10名の内、男子3名、女子6名の計9名が出場した。本選の点数は9月の22日から24日に行われる全日本学生個人選手権(インカレ)の選考に利用され、今大会はその出場枠がかかる重要な一戦となった。8月31日に行われた選考会議で早大から男子2名、女子6名、計8名のインカレへの出場が決まった。なお渋谷樹里(スポ2=エリートアカデミー)と今大会に参加しなかった園田稚女子主将(スポ3=エリートアカデミー)は全日本学生東日本大会(東日本大会)の結果によりすでにインカレ出場が決定している。

 初日に行われたのは男子の70mラウンド。風はないものの、気温が高い中で試合が行われた。予選を8位で通過した丸尾風瑛(スポ2=福岡・柏陵)は、先週末特別国民体育大会(国体)の九州ブロック大会を大分県で終えたばかり。「あまり集中できないまま射ってしまった」と振り返ったものの、前半を309点の12位で終え、後半も312点で順位を維持。早大の中で最も高い12位につけ、2年連続のインカレ出場を決めた。山下健友男子主将(スポ3=愛知・東海)は後半で点数を落とし、41位に終わったものの、インカレの出場権を得た。


2年連続のインカレ出場を決めた山下主将


行射後笑顔の丸尾

 翌日は前日とはうってかわって風が強く難しいコンディションの中、女子の70mラウンドが始まった。前半を終えて早大勢では髙見愛佳前女子主将(スポ4=エリートアカデミー)が6位でトップに。後半はさらに点数を伸ばし5位に入賞した。63位で予選を通過した渋谷は「いい感覚がつかめてきている」と予選から順位を大きく上げて15位で本選を終えた。今回の出場者の中で最も高い9位で予選を通過した髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)は「夢の島(今回の会場)の風は改めて厄介だと思った」と風に苦戦することもあったが、持ち前の集中力を後半で発揮。20点以上点数を上げ、20位に入り、インカレの切符をつかんだ。「インカレは全日本学生王座決定戦(王座)の次に出たかった試合」と語った髙橋。王座に引き続き初出場での活躍が期待される。昨年の個選では63位に終わり、インカレ出場とならなかった笹原萌央主務(人3=東京・東洋英和女学院)は、前半・後半ともに安定感のある行射を見せ、21位。昨年の悔しさを晴らす初のインカレ出場を決めた。


見事入賞を果たした髙見前主将


初のインカレ出場を決めた笹原主務

 5月の東日本大会から選考が始まっていたインカレも残り1か月近くに迫っている。選考を通過し出場権を得た部員たちには、夏季の練習で得た成果を発揮し、さらなる飛躍を見せてほしい。

(記事 梶谷里桜、写真 梶谷里桜、権藤彩乃、長屋咲希、星野有哉)

結果

▽リカーブ男子

丸尾 12位 621点 インカレ出場

山下 41位 568点 インカレ出場

柿沼 88位 504点

▽リカーブ女子

髙見 5位 607点 インカレ出場

塚本 13位 580点 インカレ出場

渋谷 15位 573点 インカレ出場

髙橋 20位 557点 インカレ出場

笹原 21位 551点 インカレ出場

廣瀬 62位 491点

コメント

丸尾風瑛(スポ2=福岡・柏陵)

――予選からどのような気持ちで本戦に臨みましたか

 先週国体の九州ブロックで自分が点数低くて、福岡が予選を通れなくて、少し落ち込んだまま本戦に臨んだので、あまり集中できないまま、ただ全日本個人選手権(インカレ)に通ればなという気持ちで射ってしまいました。

――夏合宿で重点的に取り組んだことがあれば教えてください

 平均的な点数を高く保つことを意識していました。夏合宿では毎日点取りがあって、そこで安定して高い点数を保つこと、点数に重きを置いて練習をしていました。

――今日のご自身の射を振り返って

 先ほども言ったようにあまり集中できていなくて、ゆるむ射が多かったです。あまりエイミングがしっかりできていないにも関わらず、そのまま射って赤(7から8点)に入ればいいかなと思って射ってしまっているところがあったので、自分の射形としては全然だめだったと思います。

――ゆるむ射とは

 リリースの時に力むなどして弦を真っ直ぐではなくて、横にしてしまって、外側からリリースしてしまうような射のことです。

――今後に向けての意気込み

 今日の点数でインカレは通ったと思いますが、今のままの点数だとインカレでは全然結果を残すことができないです。インカレでは決勝トーナメントに残ったとして、セット戦もあるので、そういう緊張感の中でも高い点数が取れるようにこれからもう一度気を引き締めて頑張って行きたいと思います。

渋谷樹里(スポ科2=エリートアカデミー)

――今日はどんな目標をもって臨みましたか

 風が強かったので、あまり余計なことを考えずに、シンプルに射とうと思っていました。

――合宿で何か得られたことはありますか

 押し引きのバランスを合わせるという目標のもと合宿に取り組んできて、合宿最終日あたりでつかめたものがあったので、その点で収穫があったと思います。

――今日の射を振り返っていかがですか

 的を狙っている時に余計なことを考えてしまうことが多く、感覚は良かったのですが、余計なミスや大きなミスが多かったと感じています。

――課題は見つかりましたか

 練習から、シンプルかつ楽に射つことができるように、考えすぎない癖をつけていかなければいけないと思いました。

――インカレへの意気込みをお願いします

 昨年のインカレは調子が悪かったのですが、今年は良い感覚がつかめてきているので、しっかりと調整して上位を狙っていきたいです。

髙橋梨杏(スポ1=神奈川・横浜)

――今日に向けて調子はいかがでしたか

 最近7月末くらいからそんなに調子が良くなくて、点取りの時から点数もそんなに出ていなくて。大学入った時に比べて、すごく緊張するようになっていたのですが、今日は以前までの関東学生個人選手権の予選などに比べるとあまり緊張しないで射つことができたので、調子は悪くはなかったかなと思います。

――合宿で意識して練習したことはありますか

 大学の合宿の前に、神奈川県の国体の合宿があって、そのときにグリップの持ち方と押し手が射った後に下がってしまうことを言われたので、合宿を通してグリップの持ち方を一定にすることと、押し手をなるべく下げないようにすることを意識して練習していました。

――今日は風が強かったように思いますが

 久しぶりに夢の島で射ったので、夢の島の風って改めて厄介だなと思いました。風向機をみてそんなに流れないかなと思って射ったのが、意外と風に乗って外してしまうことがあったので、もっと夢の島の試合に出て慣れなくてはいけないなと思いました。私自身、風に弱いので、もう少し自分の中で風が強い会場での対策を考えないといけないなと思いました。

――今日前半から後半で点数が上がったと思いますが、意識されたことはありましたか

 前半は自分の思うように体が動かなくて、感覚がふわふわしていて、体が止まらずに、肩もはまらなくて、全部ふわっと射っているという感じでした。大学に入ってから後半点数上がることが多くて、後半は「前半よりテンポよく射つこと」と、「大きく引いて強く射つこと」を意識してやっていました。

――インカレに通れば、初めての舞台となりますが、今後への意気込みは

 まずはインカレに通ることを信じて、インカレは王座の次に出たかった試合なので、そこでいい成績を残せるようにこれから残り1ヶ月ほどしかないですが、もっと真剣に練習取り組んで、先輩たちに負けないように、早稲田の中でもちゃんといい成績を残せるようにしていきたいです。