74回目を迎えた全慶應義塾対全早稲田定期戦(早慶戦)。4年生の引退試合ともなる今大会は、これまで日々練習を積み重ねてきた東伏見馬場で行われた。結果は全6競技中、5競技で早大が勝ち点を奪い、3年ぶりの勝利を収めた。現役戦は全ての競技で早大の…

 74回目を迎えた全慶應義塾対全早稲田定期戦(早慶戦)。4年生の引退試合ともなる今大会は、これまで日々練習を積み重ねてきた東伏見馬場で行われた。結果は全6競技中、5競技で早大が勝ち点を奪い、3年ぶりの勝利を収めた。現役戦は全ての競技で早大の選手が優勝し、現役中障害飛越競技(中障害)では表彰台を早大が独占する活躍ぶりを見せた。


中障害で優勝した中島とアルボア

 冬晴れの中、幕を開けた早慶戦。1日目は馬場馬術にあたる、第3課目A、第5課目Aと障害馬術にあたる、現役小障害飛越競技(小障害)が行われた。初めに行われた第3課目Aでは細野光(スポ1=東京・桐朋)とロッキーロイヤルの組が卓越した技術を見せ、66.875%と好成績で優勝。糸山大樹副将(政経3=熊本・済々黌)とココドロの組も続き、2位に入賞した。この結果、第3課目Aでは早大が勝ち点を先取した。第5課目Aには中島妃香留(スポ1=茨城・水戸葵)と如月、鶴見汐花副将(スポ4=栃木・佐野日大中教校)とロッキーロイヤル、栗田春香(政経4=東京・頌栄女学院)と稲彩が出場。それぞれ1位、3位、5位に入り、総合の得点率で慶大を上回った。栗田は馬術部に入って1番長くコンビを組んでいるという稲彩との出場だったが、「ベストな演技ができた」と笑顔で最後の演技を終えた。1日目最後の小障害では、早大から4組が出場。栗田とココドロ、阿曽村里桜(国教2=神奈川・桐蔭学園)とイリスの組が障害減点0で走行を終え、1位と3位に。板橋真央主将(商4=早稲田佐賀)とデクスターはこの小障害が最後の走行となった。結果は4位で「最後まで馬に助けられて、馬のすごさを再認識させられた試合だった」と振り返った。結果、小障害でも早大が勝利。1日目は全ての競技で勝ち点を獲得し、優勝に大きく近づいた。


第5課目Aで演技をする糸山副将とココドロ

 2日目の初めには中高生とOBOGが出場する障害飛越競技が行われた。OBOGの障害飛越競技では敗れたものの、中高生の障害飛越競技では勝利し、この時点で早大の優勝が決まった。最後の競技となる中障害には鶴見副将とエオウィン、糸山副将と稲嵐、中島とアルボア、細野とTHムーシェの4組が出場した。糸山副将は落馬により失権となってしまったが、鶴見副将、中島、細野がトップで並び、早大のみのジャンプオフに。ジャンプオフでは全員が総減点0であったが、その中でも中島が強気の走行を見せた。タイム差で中島とアルボアが優勝、鶴見副将とエオウィンのコンビ、細野とTHムーシェのコンビがその後に続いた。鶴見副将とエオウィンはコンビを組んで1年半ほどになるが、これまで多くの大会で早大の勝利に貢献してきた。最後の走行となったジャンプオフは「みんなに馬の能力を見てもらえてよかった」と振り返った。中障害では早大が表彰台を独占し、勝ち点3を獲得した。全ての競技を終えて両校の勝ち点差は13ー7に。伝統の一戦は早大の3年ぶりの勝利で幕を閉じた。

 多数の出場者が表彰台に上がり、馬の調整、大会の進行も含めて早大馬術部全員でつかんだ勝利だった。特にこれまでの大会でも多く結果を残している1年生の中島は出場した2競技でいずれも優勝、細野は3位以内に入るという頼もしい活躍を見せた。来年度からは糸山副将が主将に就任し、「もっとみんなが馬術を好きになって、上手くなっていく」部を目指したいという。これまで部を率いてきた4年生からバトンを受け継ぎ、さらに進化した馬術部を見せてくれるであろう。


閉会式後の集合写真

(記事 梶谷里桜、写真 田部井駿平、飯田諒、廣野一眞、長屋咲希)

勝ち点表
競技勝ち負け
第1競技・第3競技・第4競技・第5競技
第2競技・第6競技

※全ての競技で得た勝ち点を合計し、合計得点の多い団体を優勝とする。同点の場合は、第6競技に勝った団体を優勝とする。引き分けの場合は双方に1点を与える。

結果

▽団体成績

優勝 早稲田大学 13点

2位 慶應義塾大学 7点

▽第1競技 JEF馬場馬術競技 第3課目A

早稲田大学 勝ち点2 1位 細野、ロッキーロイヤル 最終得点率66.875% 2位 糸山、ココドロ 最終得点率62.153% 4位 笠井、稲彩 最終得点率60.903% 5位 阿曽村、如月 最終得点率60.194%

▽第2競技 JEF馬場馬術競技 第5課目A

早稲田大学 勝ち点3 1位 中島、如月 最終得点率64.691% 3位 鶴見、ロッキーロイヤル 最終得点率61.173% 5位 栗田、稲彩 最終得点率56.852%

▽第3競技 現役小障害飛越競技

早稲田大学 勝ち点2 1位 栗田、ココドロ タイム57.10 タイム減点0 障害減点0 総減点0 3位 阿曽村、イリス タイム60.94 タイム減点0 障害減点0 総減点0 4位 板橋、デクスター タイム63.30 タイム減点0 障害減点4 総減点4 E 回、レクレール

▽第4競技 高校生障害飛越競技

早稲田大学 勝ち点2

▽第5競技 OBOG障害飛越競技 ※持ち寄り半自馬戦

早稲田大学 勝ち点1

▽第6競技 現役中障害飛越競技

早稲田大学 勝ち点3 1位 中島、アルボア タイム69.46 タイム減点0 障害減点4 総減点4/JOタイム39.87 JOタイム減点0 JO障害減点0 JO総減点0 2位 鶴見、エオウィン タイム72.35 タイム減点0 障害減点4 総減点4/JOタイム42.77 JOタイム減点0 JO障害減点0 JO総減点0 3位 細野、THムーシェ タイム73.02 タイム減点0 障害減点4 総減点4/JOタイム46.32 JOタイム減点0 JO障害減点0 JO総減点0 E 糸山、稲嵐

4年生部員のコメントは近日中に引退コメント集としてお送りします!