6月の関東学生競技大会(関東学生)で団体3位に入賞した早大は、鶴見汐花副将(スポ4=栃木・佐野日大中教校)を筆頭とした全5名のメンバーで全日本学生馬術三大大会(全日本学生)に臨んだ。全日本学生賞典障害馬術競技大会(障害馬術)、全日本学生賞…

 6月の関東学生競技大会(関東学生)で団体3位に入賞した早大は、鶴見汐花副将(スポ4=栃木・佐野日大中教校)を筆頭とした全5名のメンバーで全日本学生馬術三大大会(全日本学生)に臨んだ。全日本学生賞典障害馬術競技大会(障害馬術)、全日本学生賞典総合馬術競技大会(総合馬術)、全日本学生馬場馬術競技大会(馬場馬術)の3種目の合計ポイントで競う3種目総合では、団体4位に入賞。個人では細野光(スポ1=東京・桐朋)が総合馬術で優勝し、躍動した。


総合馬術の馬場競技で演技をする細野とココドロ

 入厩を含めると1週間近くの長期間に及ぶ今大会。初めの2日間で障害馬術が行われ、次の2日間で馬場馬術と総合馬術の馬場馬術競技、最終日は総合馬術のクロスカントリー競技と障害馬術競技が行われた。それぞれの競技の個人順位に応じてポイントが与えられ、その合計ポイントで団体順位を競う。また3種目総合結果には入らないが、M-D 障害馬術競技大会(MD障害)も2日に行われ、早大からは糸山大樹副将(政経3=熊本・済々黌)と稲嵐が出場した。関東学生のMD障害ではレクレールと出場し、1位に輝いた糸山副将であったが、タイム減点が響き19位。悔しさの残る結果となった。また障害馬術には鶴見副将とエオウィン、中島妃香留(スポ1=茨城・水戸葵)とアルボア、細野とジョルジオ・アルマーニの3組が出場した。1走目は鶴見副将、中島がそれぞれ6、7位に入り、好発進となったが、2走目は「馬が本調子ではなさそうだった」と鶴見副将が順位を落とし、21位。中島は2走目でも減点0にまとめ、ジャンプオフへの出場を決めた。ジャンプオフの結果、最終順位は7位。細野は32位で、障害馬術の団体結果は5位となった。


笑顔の鶴見副将とエオウィン

 続く馬場馬術には鶴見副将とロッキーロイヤル、中島と如月、糸山副将とココドロ、栗田春香(政経4=東京・頌栄女学院)と稲彩の4組が出場した。障害馬術に続き、ここでも中島が実力を見せ、早大で唯一10位以内に入り、決勝へと駒を進める。決勝でも8位と実力者揃いの中で安定感のある演技を見せた。しかし団体結果は5位と3種目総合結果に向けて順位を上げることはできなかった。

 そして迎えた総合馬術。関東学生では2位に入り、鶴見副将も「今のチームで1番勝負できるのが総合競技だと思っています。」と語っていた。早大からは鶴見副将とエオウィン、細野とココドロ、中島とデクスターが出場。初めに行われた馬場競技では細野が2位、中島が11位、鶴見副将が34位で、団体3位と好スタートを切る。しかし、ここで鶴見副将の乗っていたエオウィンが足の腫れで棄権。団体での上位進出は絶望的になったが、残る細野と中島が奮闘する。細野はクロスカントリー競技を減点0に収め、障害競技へ。障害競技でも減点0のパーフェクトな走行で、個人優勝の快挙を成し遂げた。中島も最後の障害競技は減点0。25位で競技を終えた。

 最終的に団体結果は4位。競技に出場した5人と8頭だけでなく、チーム全員で掴み取った結果だ。鶴見副将ら4年生は来月の早慶戦で早大馬術部引退となる。関東学生、全日本学生共に比較的若いチームで臨んできた早大だが、そのチームを率いてきた4年生には最後まで悔いなく走り切ってほしい。


細野の表彰式の時に笑顔で写真に収まる早大馬術部

※掲載が遅れてしまい、申し訳ございません。

(記事 梶谷里桜、写真 Ko-Yuki氏、早大馬術部提供)

ポイント算出方法

3種目総合の団体順位は団体ポイント、個人ポイントの合算により決定する。

団体ポイント表

 

順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
ポイント70605143363025211816
個人ポイント表

 

順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位11位12位13位14位15位16位17位18位19位20位
ポイント10090858178757269666360575451484542393634
順位21位22位23位24位25位26位27位28位29位30位31位32位33位34位35位36位37位38位39位
ポイント32302826242322212019181716151413121110
結果

▽3種目総合

4位 早稲田大学 476ポイント

▽第73回全日本学生賞典障害飛越競技大会(障害馬術)

5位 早稲田大学 総減点40 36ポイント 個人7位 中島、アルボア 2回走行合計減点0 2回走行合計タイム148.80、JO総減点11 JOタイム57.58 72ポイント 個人21位 鶴見、エオウィン 2回走行合計減点16 2回走行合計タイム145.82 32ポイント 個人32位 細野、ジョルジオ・アルマーニ 2回走行合計減点24 2回走行合計タイム155.36 17ポイント

▽第66回全日本学生賞典馬場馬術競技大会(馬場馬術)

5位 早稲田大学 団体合計(上位3名)179.85% 36ポイント 個人8位 中島、如月 総得点率63.185%、決勝総得点率59.750% 69ポイント 個人18位 鶴見、ロッキーロイヤル 総得点率60.407% 39ポイント 個人30位 糸山、ココドロ 総得点率56.259% 19ポイント 個人35位 栗田、稲彩 総得点率53.037% 14ポイント

▽第66回全日本学生賞典総合馬術競技大会(総合馬術、最終結果)

10位 早稲田大学 団体総減点(上位3名)1081.0 16ポイント 個人優勝 細野、ココドロ 減点合計28.1 100ポイント 個人25位 中島、デクスター 減点合計52.9 24ポイント WD 鶴見、エオウィン 2ポイント

▽M-D障害馬術競技大会

19位 糸山、稲嵐 タイム86.34 タイム減点21 障害減点4 総減点25

コメント

※インタビューは後日、オンラインで実施されました。

鶴見汐花副将(スポ4=栃木・佐野日大中教校)

――今大会にはどのような目標で臨みましたか

 今大会は個人個人の力はあるものの、チームの結束力が弱く、まとまりに欠けるチームだったと思います。それは始まる前からわかっていたので団体結果は考えないようにしていました。

――障害5位、総合10位、馬場5位、最終4位という団体結果を振り返っていかがですか

 最終的な団体結果もチームの状況を考えたら妥当な数字だと思います。

――障害では1走目に減点0の6位でスタートしたものの、2走目で減点がありました。振り返っていかがですか

 障害初日は馬が本来の力を発揮してくれ、理想の走行ができました。二日目は馬が本調子ではなさそうで、今までにない落下となりました。後の総合競技も足が腫れてしまい、棄権したので今思えば足が痛かったのかなと思います。そんな中でよく頑張ってくれたと思います。

――長い期間の試合でしたが、試合中、4年生としてどのようにチームをまとめていましたか

 今大会のメンバーは、部活という組織として動くことに慣れていない1年生もいたので、まとめようとするより、一人一人に任せるようにしていました。

――早大馬術部として過ごす期間もあとわずかとなるかと思います。今後への意気込みをお願いします

 私たち四年生の引退試合となる早慶戦まで残りわずかとなりました。 やり切ったと胸を張って引退できるよう、最後まで走り抜けたいと思います。

細野光(スポ1=東京・桐朋)

――今大会にはどのような目標を持って臨みましたか。また試合前の調子はいかがでしたか

 勝つ能力のある馬を充ててもらったので、優勝を目標にしていました。今回急遽の乗り替わりで試合の約1週間前からココドロに乗り始めたのですが、そこからぐっと調子を上げていくことができました。

――総合馬術では個人1位でした。振り返っていかがですか

 結果として優勝できたことはとても嬉しいです。ですが、馬場馬術ではもっと馬の良さを引き出すことができたはず、という悔しさが残ります。クロスカントリーと障害では、今の自分の技量でできることはできたかなと思います。

――他の大会も含め、総合馬術で多くの好成績を収められているように感じます。要因は何かありますか

 総合は中3の時から始めました。その時に出会った2頭の馬にたくさんのことを教えてもらったことだと思います。特にレッドアーヴィングという馬が自分を育ててくれたと思っています。

――早稲田の馬には慣れてきましたか

 はい。能力のある馬たちなので、乗っていて楽しいです。

――今回見つけたご自身の課題などはありますか

 先にも書いたように、最後の障害飛越競技をトップで迎えることができず、1位の選手のミスがなければ優勝していませんでした。もっと技術を身につけて、馬場で点を取り、トップで最終日を迎えられるようにしたいです。

――今後への意気込みをお願いします

 1年生にも関わらずこのような大きな試合で結果を残すことができ、とても光栄です。これを自信に残りの3年間でより成長し、ステップアップしていきたいです。全日本学生での目標は個人での3種目制覇ですが、団体でも勝てるようチーム早稲田の一員としての意識も高めていきたいと思います。応援よろしくお願いします。