(プロ野球オープン戦 ロッテ1―1ソフトバンク) 走者をためても、ずるずると崩れることはない。千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希の魅力が出たマウンドだった。 開幕へ向けた3度目の実戦登板は、直球の制球に苦しんだ。 3回を投げ、被安打4で四死…

 (プロ野球オープン戦 ロッテ1―1ソフトバンク)

 走者をためても、ずるずると崩れることはない。千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希の魅力が出たマウンドだった。

 開幕へ向けた3度目の実戦登板は、直球の制球に苦しんだ。

 3回を投げ、被安打4で四死球は三つ与えた。二回は2本の単打と暴投で1死二、三塁のピンチを招いたが、ここからが真骨頂だ。

 甲斐拓也に対して、外角低めにこの日最速の157キロ直球を投げ込み、見逃し三振。四球で満塁となった後は、打撃好調の今宮健太からフォークで空振り三振を奪い、得点を与えなかった。

 毎回、先頭打者の出塁を許しながらも、終わってみれば5奪三振で無失点。「真っすぐが良くなれば、もっと変化球も振ってもらえる」と修正点も明確だ。

 11日で東日本大震災の発生から13年となる。

 当時9歳だった佐々木は岩手県陸前高田市で被災。自宅は津波で流され、父・功太さん(当時37)と祖父母を失った。

 「特別な日」と語る節目を前に、「僕にできることは野球を頑張ること。一生懸命プレーして、自分の持っているパフォーマンスを発揮することが大事かなと思う」と誓った。

 開幕3戦目、3月31日の日本ハム戦での先発登板が決まっている。東北への思いも胸に、プロ5年目の始まりを迎える。(清水優志)