【岡山】第96回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の組み合わせ抽選会が8日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールであり、創志学園は大会第3日の20日午前9時からの第1試合で21世紀枠の別海(北海道)…

 【岡山】第96回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の組み合わせ抽選会が8日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールであり、創志学園は大会第3日の20日午前9時からの第1試合で21世紀枠の別海(北海道)と対戦することが決まった。

 選抜の抽選は、同一地区からの出場校が序盤に対戦するのを避けるため、トーナメントのブロックやゾーンを振り分けながら行う。出場校の多い近畿や関東から順に進み、中国地区の創志学園は四国、北海道とともに最後に残った6校のグループとなった。

 東海大相模(神奈川)で、春は3度の優勝経験がある門馬敬治監督は「関東からの出場は早く日時が決まって、どこが入ってくるか待ってたから、取り残されたような不安感があったね」。

 同じ中国地区の広陵(広島)と決勝まで対戦しないようにする最初の抽選で前半日程のブロックに振り分けられた。豊島虎児主将が本抽選のくじを引く直前に、このブロックでお互い対戦相手が未定だった別海との初戦が確定した。「『第1試合はやめて』とみんなに言われてたけど、もうあそこしか残っていなかったんで、仕方ないです」と豊島主将。

 21世紀枠の出場校と対戦するのは、創志学園にも門馬監督にとっても初めて。「いろんなハンディを乗り越え、僕らにはできないことをやり遂げたことを評価されて、この大会に選ばれてきた。目に見えない強さを持ったチームだと感じている」

 創志学園は昨秋、左の山口瑛太、右の中野光琉という両エースの活躍で勝利を重ね、中国大会準優勝で7年ぶりの選抜切符をものにした。豊島主将は「秋は投手にずっと頼ってきたので、僕ら打者陣は冬場、振り込みに取り組んできた。甲子園では僕らが、という気持ちが強いです」と意気込む。

 門馬監督は初戦に向け「まだまだチーム力がありません。試合が始まる寸前までもっと強くなれるという意識を持ち続け、調整ではなく、すべて全力でいきたい」と語った。(大野宏)

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 「甲子園で会おう」の実現は野球人の冥利(みょうり)。抽選会は出場全校の監督と主将が一堂に会する貴重な機会だ。「この景色を見るとやっぱり『来たな』という思いもあるし、いろんな監督の顔も見るし。ようしここからだという気持ちになりますね」。創志学園(岡山)の門馬敬治監督は3年ぶりに毎日新聞大阪本社地下のホールを見渡し、感慨を口にした。

 組み合わせの妙で、昭和44(1969)年度生まれの同級生が隣り合わせの山に入った。山梨学院の吉田洸二監督と京都外大西の上羽功晃監督が初戦で対戦。門馬監督は勝ち上がればどちらかと当たる。「時に苦しみながら、励まし合ってきた仲間と、この甲子園で戦えるなら幸せ」。前日は3人で風呂に入ったという。大阪府出身の豊島虎児主将も星稜(石川)や近江(滋賀)の主将と、中学時代から旧知の仲だそうだ。

 記者も3年前までの勤務地から76年ぶりに出場する田辺(和歌山)の田中格監督と再会。「まさかこんなところでお会いする日が来るとは」とあいさつした。準決勝までは創志学園と当たらない組み合わせに、少しほっとしている。(大野宏)