第96回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が8日、大阪市内であり、出場32校の1回戦の対戦相手が決まった。 第2日(19日)は豊川(愛知)―阿南光(徳島)、敦賀気比(福井)―明豊(大分)、学法石川(福島)―健大高崎(群馬)の顔合わせとなっ…

 第96回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が8日、大阪市内であり、出場32校の1回戦の対戦相手が決まった。

 第2日(19日)は豊川(愛知)―阿南光(徳島)、敦賀気比(福井)―明豊(大分)、学法石川(福島)―健大高崎(群馬)の顔合わせとなった。6校の横顔を紹介する。

 ■豊川(愛知、10年ぶり2回目)

 合言葉は「ニキータに回せ」だ。昨秋公式戦のチーム打率は3割9分5厘。打線を引っ張る左の強打者、モイセエフ・ニキータは6本塁打を放った。コツコツとつなぐ打撃を強みとし、東海大会は4試合で34得点を挙げて初優勝した。

 投手陣は、くせ球が持ち味の左腕エース鈴木爽太や、本格派の2年生右腕・中西浩平が軸となる。38年ぶりに挑んだ明治神宮大会では、準決勝で星稜(石川)に3―15で大敗。主将で遊撃手の鈴木貫太を中心に、守備の強化に力を入れてきた。

 選抜大会は10年ぶり2回目。前回は初出場でいきなり4強入りした。30歳の長谷川裕記監督は母校を率いて甲子園で初采配。「旋風」の再現をめざす。(良永うめか)

 ■阿南光(徳島、32年ぶり2回目)

 再編統合前の新野(あらたの)が1992年に出場して以来、32年ぶり2回目の出場だ。現在の校名となって甲子園初勝利をめざす。

 右上手投げのエース吉岡暖(3年)は最速146キロの直球にカットボール、ツーシームなどを織り交ぜ、打者に的を絞らせない。昨秋の公式戦全8試合に登板し、66奪三振を挙げた。打線は高校通算17本塁打の左打者福田修盛(3年)を中心に切れ目がない。昨秋の四国大会では投打の力がかみ合い、準優勝した。

 春夏2回の甲子園出場歴を持つ新野と阿南工が、2018年4月に統合して開校。「野球のまち」を掲げ、全国規模の野球大会や甲子園常連校の合宿誘致などに取り組む阿南市で力をつけた。(吉田博行)

 ■敦賀気比(福井、4年連続11回目)

 選抜大会につながる北信越大会では、決勝までの4試合で46安打を放った。強打を印象付けたが、今年のチームは犠打や走塁を絡めて1点をもぎ取る野球も得意とし、「突出した選手はいない」と東哲平監督は話す。

 昨夏の福井大会は準々決勝で敗退し、夏の甲子園の連続出場が4で止まった。昨夏もレギュラーだった二塁手の西口友翔主将、エース竹下海斗、捕手中森昂、中堅手野道諒彌の3年生4人が中心として成長。北信越大会では3試合連続の延長戦を粘り強く守り、4年連続11回目の選抜出場をたぐり寄せた。

 創部は1986年で、2015年の選抜で初優勝。ただ、21年、22年、23年はいずれも初戦で敗退しており、初戦突破をめざす。(長屋護)

 ■明豊(大分、3年ぶり6回目)

 1999年創立の私立校で、3年前の選抜大会では準優勝した。その活躍を見て入部した世代が、3年ぶりの出場を果たした。山内真南斗主将は「先輩方を超えるためには、優勝しかない」と意気込む。

 投手陣は野田皇志、一ノ瀬翔舞(しょうま)の両右腕が試合をつくる。昨秋7試合に登板した一ノ瀬は失点2、防御率0・60と安定している。打線は昨秋の公式戦で打率3割6分9厘。5割の高打率を残した芦内澄空(そら)を中心に切れ目がない。舩見侑良、的場航輝も勝負強い打撃が光る。

 昨秋、「総合力でいろいろな引き出しを持ちたい」とした川崎絢平監督。ひと冬を越え、今大会に臨む。

 南こうせつさん作曲のポップな校歌もおなじみだ。(大村久)

 ■学法石川(福島、33年ぶり4回目)

 春夏合わせて13回目の甲子園出場。ただ、1999年の夏以来とあって、四半世紀ぶりの出場に地元は盛り上がる。

 采配を振るうのは、2018年に就任した佐々木順一朗監督。前任の仙台育英では春夏通算で甲子園に19回導き、準優勝に2度導いた実績がある。

 昨夏は甲子園常連の聖光学院に延長十回タイブレークの末、逆転サヨナラ負け。あと一歩のところで涙をのんだ。

 昨秋の東北大会で4強入りし、増枠となった東北3校目に滑り込んだ。投手陣は、捕手と4番でも活躍する大栄利哉、多彩な変化球が持ち味の左腕・佐藤翼、直球にキレがある三塁手兼務の岸波璃空(りく)と役者ぞろいだ。(酒本友紀子)

 ■健大高崎(群馬、2年連続7回目)

 昨秋の関東大会で4強入りし、2年連続7回目の出場をつかんだ。攻守に力のある選手がそろっており、青柳博文監督は「今年は全国屈指の力があり、本気で優勝を狙えるチーム」と自信を見せる。

 下位まで強打者が並ぶ打線は昨秋、1試合平均で9点以上をあげた。中心は前チームから4番を打つ箱山遥人主将だ。同じく3年の森山竜之輔や横道周悟にも長打力がある。一方、関東大会の準々決勝ではスクイズで決勝点を奪うなど、手堅さも光る。

 投手陣は、最速145キロ超の直球がある2年生2人が軸。左腕の佐藤龍月(りゅうが)は右打者の内角を果敢に攻め、右腕の石垣元気は要所で低めのスライダーがさえる。(吉村駿)