第96回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が8日、大阪市内であり、出場32校の1回戦の対戦相手が決まった。 第3日(20日)は創志学園(岡山)―別海(北海道)、山梨学院―京都外大西、耐久(和歌山)―中央学院(千葉)の顔合わせとなった。6校…

 第96回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が8日、大阪市内であり、出場32校の1回戦の対戦相手が決まった。

 第3日(20日)は創志学園(岡山)―別海(北海道)、山梨学院―京都外大西、耐久(和歌山)―中央学院(千葉)の顔合わせとなった。6校の横顔を紹介する。

 ■創志学園(岡山、7年ぶり4回目)

 東海大相模(神奈川)を春夏計4度の甲子園優勝に導いた門馬敬治監督が就任して2年目にして初、春は7年ぶりの出場となる。

 ともに140キロ台の速球を持ち、完投能力を備えた左腕の山口瑛太、右腕の中野光琉の両投手が軸。公式戦11試合で9失策と、堅実な守備が支える。

 亀谷理仁、後藤龍太朗、豊島虎児と左の好打者が上位打線を担う。門馬監督が前任校時代から掲げる「アグレッシブ・ベースボール」を攻走守に貫く積極的な試合運びが信条だ。

 創部1年目の2011年春に初出場して話題になった。卒業生には阪神の西純矢、亜細亜大から昨年のドラフト1位で中日に指名された草加勝らがいる。(大野宏)

 ■別海(北海道、初出場)

 人口よりも牛の頭数が多く、牛乳の生産量日本一の酪農の町・別海町から21世紀枠で出場。オホーツク海に面する公立高の選手16人が最東端から出場する。

 全道大会に進むために10に分かれる地区大会を勝ち抜く必要がある北海道で、昨秋、釧根地区を4年ぶりに突破。初戦は九回2点本塁打で逆転サヨナラ勝ちで春夏秋の全道(夏は北北海道)大会で初勝利を挙げると、続く準々決勝は選抜大会出場歴のある知内を延長タイブレークで破って4強に駆け上がった。準決勝は優勝した北海に敗れたものの、終盤まで1点を争う好勝負を演じた。

 バッテリーを中心に堅守だ。エース堺暖貴(3年)は身長180センチから右横手投げの粘投派。全道3試合で計409球を投げ暴投・捕逸はゼロ。捕手の中道航太郎主将(同)は勝負強く、全道の2試合で決勝打を放った。

 1950年創立。普通科ほか酪農経営科がある。町内のコンビニで副店長を務める島影隆啓監督が2016年に就任。部員4人でグラウンドづくりから始めた。(佐々木洋輔)

 ■山梨学院(3年連続7回目)

 昨年の優勝校。史上4校目の選抜連覇をめざす。

 旧チームからベンチ入りメンバーのほとんどが入れ替わったが、秋の関東大会を2試合連続のタイブレーク勝利などで勝ち上がり、準優勝。3年連続7回目の選抜出場を決めた。

 粘り強く接戦をものにするのが身上のチームを支えるのは、右横手のエース桜田隆誠(3年)。制球良く決まる直球と変化球で緩急を付ける投球が持ち味で安定感がある。俊足の黒沢后琉(こうりゅう)(3年)がトップを打ち、2年生の梅村団が4番に座る打線は、ベンチからの細かいサインもそつなくこなし、少ない好機を逃さない。

 吉田洸二監督は前任の清峰(長崎)でも、選抜優勝と準優勝の経験がある。(三宅範和)

 ■京都外大西(京都、18年ぶり7回目)

 投手中心の堅い守りで、昨秋の京都府大会で26年ぶりの優勝を果たした。続く近畿大会でも快進撃は続き、決勝で強豪の大阪桐蔭と対戦。接戦の末に1点差で敗れたが、持ち前の粘り強さを見せた。

 エース左腕の田中遥音(はると)は、切れのある直球に変化球を織り交ぜて打者を翻弄(ほんろう)する。近畿大会の準決勝では11奪三振、与四死球2の力投で完封した。決勝でも失点0と安定したピッチングが光った。強肩の2年生捕手・下曽山仁が田中を支える。

 打撃の要は相馬悠人と松岡耀。相馬は投手も務める「二刀流」で好機に勝負強い。持田諒真は機動力が強み。京都大会決勝では本盗を決めた。

 前身は京都西。卒業生に中日の大野雄大らがいる。(関ゆみん)

 ■耐久(和歌山、初出場)

 幕末の国際情勢に備えるため、ペリー来航1年前の1852年に創立した稽古場「耐久社」が前身だ。1905年の創部以来、春夏通して初めての甲子園に全選手19人で挑む。

 昨秋は、県大会で初優勝すると、40年ぶりに出場した近畿大会で4強入りする快進撃を見せた。

 チームの柱は、最速142キロ右腕のエース冷水(しみず)孝輔。昨秋の公式戦全9試合で完投。うち6試合を3点以内に抑えた。

 打線は、近畿大会の初戦で逆転打を放った4番の岡川翔建が勝負強い。2年生の5番打者・白井颯悟は本塁打を打つ力があり、盗塁もできる。チーム全体では選球眼がよく、46四死球を記録した。(下地達也)

 ■中央学院(千葉、6年ぶり2回目)

 創部は1971年。2018年に春夏連続で甲子園出場を果たしたが、いずれも1勝が遠く、悲願の甲子園初勝利をめざす。

 昨秋の千葉県大会は地区予選の代表決定戦で敗れ、敗者復活で県大会を制した。関東大会では準々決勝で惜敗したが、選考委員会で粘り強さを評価された。機動力も持ち味で、昨秋は12盗塁の水嶋悠や8盗塁の中村研心を中心に計42盗塁を記録した。

 投手陣はいずれも140キロ超の直球に加え、186センチの長身から落差のあるフォークが武器のエース蔵並龍之介、四つの変化球も駆使する横手投げの臼井夕馬が二枚看板。野手だが、最速148キロの速球がある颯佐(さっさ)心汰(ここた)も継投もする。(杉江隼)