「全員すごい選手なので、すごく緊張しました。いろんな人から話を聞いて成長できる3日間にしたい」。日本代表「侍ジャパン」に初選出された田村俊介は5日、大阪市内であった代表の初練習のあと、うれしそうに語った。チームは6、7日に京セラドーム大阪…

 「全員すごい選手なので、すごく緊張しました。いろんな人から話を聞いて成長できる3日間にしたい」。日本代表「侍ジャパン」に初選出された田村俊介は5日、大阪市内であった代表の初練習のあと、うれしそうに語った。チームは6、7日に京セラドーム大阪で欧州代表と強化試合に臨む。

 20歳の田村は、今回の侍ジャパンでは最年少にあたる。強化試合なので重圧は五輪やWBCとは比較できないが、国際舞台で戦えること自体が特別だ。新井貴浩監督も「代表のユニホームを着ることはなかなかできない。日の丸を背負ってプレーすることは、本人のキャリアにおいてすごく良い経験になる」と送り出した。

 この強化試合には、広島から12球団最多の5選手(栗林良吏、森下暢仁、坂倉将吾、小園海斗、田村)が選ばれた。昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップで初めて侍ジャパンの一員として戦った坂倉は、「やっぱりシーズンとは違ったプレッシャーがある。違うユニホームを着て、本当に緊張感があった。体というより、心がぶれたり、変わったりするところだと思う。そういうことを経験できたのは大きかった」と振り返る。

 今回の代表にはヤクルトの村上宗隆やソフトバンクの近藤健介ら田村と同じ左打者で、数々の実績をあげてきた先輩たちもいる。球宴などでは、若手が他球団の先輩選手に教えを請う場面がよく見られるようになったが、シーズン開幕前に巡ってきた交流のチャンス。1軍での出場が通算10試合の田村は、「自分から積極的に聞きにいきたいと思う」と話す。

 侍ジャパンの井端弘和監督が「(昨秋)1スイング見た時からすばらしいと思った」と評価した逸材。この機会をどう生かしていくのか、楽しみだ。

 8日からは、今年初めてマツダスタジアムでオープン戦(対中日)がある。刻々と近付くシーズン。田村は「自分の中で、侍ジャパンになったという強い気持ちを持てる。その気持ちを持って、シーズンに入っていきたい」。(本紙スポーツ部広島駐在)