ドーピング違反で4年間の資格停止処分を受けていた女子テニスの元世界ランキング1位、シモナ・ハレプ(32)=ルーマニア=が復帰できることになった。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は5日、意図的な違反ではないとして処分期間を9カ月に軽減すると発表…

 ドーピング違反で4年間の資格停止処分を受けていた女子テニスの元世界ランキング1位、シモナ・ハレプ(32)=ルーマニア=が復帰できることになった。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は5日、意図的な違反ではないとして処分期間を9カ月に軽減すると発表した。2022年10月から暫定的な処分を受けていたため、処分期間は終了しており、すぐの復帰がかなう。

 4大大会で18年全仏オープン、19年ウィンブルドン選手権を制したハレプは自身のSNSで「今日は極めて重要な瞬間として刻まれる。評決は私の立場を受け入れた」「私は新たな活力を得て、さわやかな気持ちでツアーに復帰することを楽しみにしている」と記した。

 ハレプは22年全米オープンでの検査で禁止物質「ロキサデュスタット」が検出され、血液データを蓄積して調べる「生体パスポート」に関わる違反も確認された。テニスの不正監視機関、国際テニス・インテグリティー・エージェンシー(ITIA)は昨年9月、26年10月までの資格停止処分を科し、ハレプは35歳まで復帰できない危機に立たされていた。

 ハレプは当時、自身のSNSで声明を発表。陽性反応を示した22年8月の検査以外は「一度も尿や血液に禁止薬物が含まれていたことはない」と主張。CASで徹底的に争う姿勢を示し、審議の遅れについても再三、不満を訴えていた。

 CASの評決では陽性反応について、ハレプが摂取したサプリメントが汚染されていたことが原因で、本人に重大な過失はないと判断し、処分の軽減が決まった。