道内建設大手・伊藤組土建の会長で戦後の道経済界を代表する経営者、日本スキー界の顔でもあった伊藤義郎さん(享年96)をしのぶ「蒼空(そうくう)のつどい」が4日、札幌市内で開かれた。米軍関係者ほか国内外から参列者が詰めかけ、昨年12月に亡くな…

 道内建設大手・伊藤組土建の会長で戦後の道経済界を代表する経営者、日本スキー界の顔でもあった伊藤義郎さん(享年96)をしのぶ「蒼空(そうくう)のつどい」が4日、札幌市内で開かれた。米軍関係者ほか国内外から参列者が詰めかけ、昨年12月に亡くなった故人の幅広い人脈を物語った。

 「伊藤会長は北海道の歴史そのものでした」

 岩田圭剛・北海道商工会議所連合会会頭は弔辞でこう悼んだ。

 伊藤氏は札幌一中(現札幌南高校)、早稲田大学政経学部を卒業。米コロンビアとカリフォルニア両大学の大学院で経営学を学び帰国した。1956年から46年間、祖父の亀太郎氏が創業した伊藤組土建の3代目社長を務めたほか、北海道建設業協会会長を38年間務めるなど、道内建設界の「リーダー」だった。自民党旧竹下派の道後援会組織の会長をつとめ、中央政界とのパイプも太かった。

 「道経済史上、最大の危機を混乱なく乗り切れたのは、伊藤会長が全身全霊をかけて取り組んだ結果」

 94年から道商連会頭をつとめたとき、北海道拓殖銀行が破綻(はたん)した。国や道、受け皿となった北洋銀行と連携して、中小企業の資金繰り確保に奔走した。