全国の大学から選抜メンバーが一同に集う大会・デンソーカップが福島県のJヴィレッジにて開催された。この大会は東北選抜、関東選抜A、東海選抜、関西選抜、U20全日本大学選抜、日本高校選抜の6チーム。加えて直前に開催されたプレーオフ…

 

 全国の大学から選抜メンバーが一同に集う大会・デンソーカップが福島県のJヴィレッジにて開催された。この大会は東北選抜、関東選抜A、東海選抜、関西選抜、U20全日本大学選抜、日本高校選抜の6チーム。加えて直前に開催されたプレーオフで優勝した関東選抜B、プレーオフ敗退チームの中から選抜されたプレーオフ選抜の計8チームが出場した。早大からは関東選抜AにGKヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西)、FW駒沢直哉新副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)が、関東選抜BにDF神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)、MF山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)がそれぞれ選出された。(学年は来年度のものです。)

 

 関東選抜Bは2月20日から開催されたプレーオフからの出場となった。3チームでのグループリーグを行った後に順位決定戦を行うという形で開催されたプレーオフ。グループ初戦の相手は北信越選抜となった。山市は77分から途中出場、神橋はこの試合の出場はなかった。チームは2ー0で幸先よくグループリーグ初戦を白星で飾る。続く2戦目の相手は九州選抜。山市、神橋、両選手ともに先発に名を連ねる。試合は先制点を許したものの終盤に同点に追い付き1ー1、勝利こそ掴めなかったがグループステージを首位で突破した。勝った方が本大会出場権を獲得する順位決定戦の相手は四国選抜。山市はこの試合も先発出場すると1ゴール2アシストの活躍を見せチームの8ー1の勝利に大きく貢献、関東選抜Bが本大会への出場権を獲得した。

 


 シュートを打つ駒沢(左)

 

 2月27日より開幕したデンソーカップチャレンジサッカー福島大会。8チームを2つに分けてグループリーグを戦ったのち順位決定戦を行うという形式で開催された今大会。強風と雨という難しいコンディションで行われた初日。関東選抜Aはプレーオフ選抜との対戦となり、駒沢が先発で出場した。前半、風上に立った関東選抜Aは早い時間に先制点を奪うと、激しい風が吹く中コーナーキックが直接ゴールに吸い込まれ、追加点を奪った関東選抜Aは2ー0で前半を折り返す。後半に入ると風下に立った関東選抜Aが押し込まれる展開になる。50分に1点を返されると、終了間際にセットプレーも絡み2失点。2ー3の逆転負けでグループリーグ初戦を落とした。駒沢は87分まで出場し、突破などからチャンスを演出したが得点を奪うことはできなかった。関東選抜Bは初戦で東海選抜と対戦した。この試合、山市は先発出場する。前半から関東選抜Bが押し込む展開となったがなかなか得点を奪うことができず。それでも後半立ち上がりに先制点を奪うと、その後も攻撃の時間が続く。追加点を奪うことはできなかったが、守備陣が要所を締めて無失点。1ー0でグループリーグ初戦に勝利した。山市は87分まで出場すると、攻守にわたってハードワークを見せた。

 


 戦況を見つめる神橋

 

 グループリーグ2日目。関東選抜Aは日本高校選抜と対戦、ヒルがこの試合ゴールマウスを守った。4月に早大へ入学することが決まっている選手が日本高校選抜に数名いることもあり「特に負けたくない試合だった」(ヒル)と語ったこの試合。前半から関東選抜Aがゴールに迫ったものの日本高校選抜の集中した守りの前になかなか得点を奪うことができず。それでも後半の立ち上がりに先制点を獲得する。しかしその後追加点を奪えなかった関東選抜A、終了間際には相手に決定機を作られたがヒルの好セーブで得点を許さず。1ー0でグループリーグ初勝利となった。関東選抜Bは関西選抜と対戦。この試合で山市はキャプテンマークを巻いての出場となった。先に得点を奪われたが、後半に入ると同点に追い付く。山市も中盤の位置で攻守にわたって高い運動量を見せ、シュートも放ったが得点を奪うことはできず。チームは終盤に失点を許して1ー2で敗れてしまった。

 


 味方に指示を送るヒル

 

 グループリーグ最終日。関東選抜Aは東北選抜との対戦、ヒルが2試合続けての先発出場となった。試合は一方的な展開になる。23本のシュートを放った関東選抜Aが大量7得点で勝利し、この結果によりグループリーグ2勝1敗の2位で3位決定戦に回ることになった。関東選抜BはU20全日本大学選抜と対戦。神橋が先発出場した。前半幸先良く2点を先行した関東選抜B。世代トップの豪華攻撃陣に対して、神橋をはじめとした関東選抜B守備陣が要所を締めて前半を2ー0で折り返す。後半、勝負を決定づける3点目を目指し、攻勢を強めた関東選抜Bだったが追加点を奪うことはできず。終盤に1点を失ったが、途中出場の山市含め全員が集中してリードを守りきり、2ー1で勝利。グループリーグを2勝1敗で終えた関東選抜Bは得失点差で決勝へ進出した。

 


 キャプテンマークを巻いた山市

 

 大会最終日は順位決定戦が行われた。関東選抜Aは3位決定戦で関西選抜と対戦し、駒沢が先発出場した。試合は25分、30分の連続ゴールで前半のうちに2点を先行する。2ー1で迎えた後半にもさらに2点を加えて4ー1で勝利した関東選抜Aはデンソーカップを3位で終えた。駒沢は68分まで出場したがゴールを奪うことはできなかった。決勝に進出した関東選抜Bは同じくプレーオフから戦ってきたプレーオフ選抜との対戦となった。前半は両者得点を奪えなかったものの、後半の立ち上がりに関東選抜Bが先制点を奪う。しかし、プレーオフ選抜もすぐに同点に追い付く。迎えた70分右サイド山市のクロスに中の選手が合わせ再びリードを奪うと、79分にも追加点を上げて勝負あり。先発出場し、71分までプレーした山市の活躍もあり関東選抜Bが3ー1でデンソーカップ決勝に勝利して見事優勝を勝ち取った。

 

 全国から多くの有力選手とスカウトやメディア等サッカー関係者が一同に集い、サッカーへの熱量で溢れていたデンソーカップ。このような環境でプレーできたことは、今後のサッカー人生においても大きな経験となっただろう。ここで得たものをチームに還元して目標達成に向けて、そのチームの中心選手として彼らが活躍する姿を期待したい。

 

                                                                                         (記事、写真 和田昇也)

 

 

コメント

FW駒沢直哉新副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)

グループリーグ初戦終了後

――関東選抜Aのチームの雰囲気はいかがですか

 自分含めて追加メンバーが10人いる中で、 自分は少し早い段階で決まっていたんですけど、直前の変更もあったりという中で土曜日からの事前合宿で、 まず追加招集だったり、最初から選ばれた関係なく、関東のとしてのプライドをもっていうことが説明があって、そこに対しては選手全員が自覚を持ってやれたと思いますし、直前の変更とかは別に影響なかったんじゃないかなと思います。

――この試合(グループリーグ初戦・プレーオフ選抜戦)手応えはいかがでしたか

 自分自身事前合宿からすごいいいコンディションでやれていて、今日の試合は風が強くて、前半自分たちは風上の方でワンサイドゲームになるという予想は元からあって、 その中で2点取れたのは良かったですけど、結局後半3点決められてたんで、自分にもチャンスは実際あったので、そこでもっと決めてれば勝利できたんじゃないかなという反省はあります。

――ここから大会への意気込みをお願いします

 自分自身、デンソーカップに参加は初めてで、もちろんこういう素晴らしい大会で自分をアピールしたいだったり、 もっと上に行くためのすごいいい機会だっていう思いもありますけど、まずは関東Aで優勝するために、チームのために100パーセントプレーしたいですし、 優勝するために自分が貢献できたらいいなと思います。

 

 

GKヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西)

グループステージ2戦目終了後

――関東選抜Aのチームの雰囲気はいかがですか

 開始して1日経った後に合流したんですけど、やりやすい環境の中で合宿から迎え入れてもらって開始することができて、 いい雰囲気でやれてるかなとは思います。

――風が強くて難しいコンディションの中での試合でしたが意識したことはありますか。

 昨日も今日以上に風が強い中で、どういうプレーがいいかというイメージを個人的にしていた中で、特にキックが風下になった時に戻されるっていうこともあったので、 なるべく低く返ってきずらいキックを蹴ろうという意識していたのと、あとは自分の特徴であるハイボールも結構軌道は変わるものの、高さとしてはストロングということには変わりないので、我慢して軌道を読めば自分が優勢であるという事は理解してるので、しっかりと我慢して、自分のプレイしやすいタイミングだって周りとかを見極めながら試合としてやっていました。

――無失点勝利に終わったことはいかがでしたか

 結果しか周りは求めてないので。どういう状況であれ、ずっとリラックスして自分のプレーを、 いいプレーを出したっていうところはすごく自分としても評価できますし無失点という結果で終われたっていうことはほっとしてます。

――ここからの意気込みをお願いします

 明日も明後日も勝つしかないので。今日の試合、 昨日から反省できたんですけど、まだまだ反省しきれない部分を今日でしっかりと反省しきって勝ち癖ついたので、明日もしっかり勝っていきたいと思ってます。

 

MF山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)

グループステージ2戦目終了後

――キャプテンマークを巻いての出場となりましたがそこについてはいかがですか

 関東で、上級生もいる中でのマークが非常に重いものだったんですけど、九州戦ちょっと力みすぎてて、 自分の力はあまり発揮できなかったので、責任感持ちつつ、自分のやったことを出していこうかなって思いながら試合に入ったんですけど、前半やられてしまって。後半1点決めて追い付いたものの、またそこで失点してしまって、1ー2でということで、不甲斐ないというか、気持ちがちょっと落ちるような、ゲーム展開だったなと思います。

――ボランチでのプレーについてはいかがですか

 サイドハーフをやらしてもらった時は、監督からも前への関わりっていうものを持ってほしいからサイドハーフやってと言われていたんですけど、サイドハーフでそういう前へ関わる感覚を養って、ボランチでももっと前にわかってほしいって感じで言われたので、前向きに捉えてやってます。

――守備面はどうですか

 予測して、前にはめに行ってボール奪取するというのは自分の特徴の1つでもあると思ってます。奪った後の前との関わりっていうところが自分の課題だと感じてるのでそこはあと大学2年間で突き詰めて、もっといい選手になっていきたいなと思ってます。