社会人野球の強豪、日産自動車九州硬式野球部(福岡県苅田町)が15年ぶりに活動を再開した。このほど同社でチームの新体制発表があり、植山文彦監督が「都市対抗野球大会や社会人日本選手権への出場を目指す」と抱負を述べた。 日産九州硬式野球部は19…

 社会人野球の強豪、日産自動車九州硬式野球部(福岡県苅田町)が15年ぶりに活動を再開した。このほど同社でチームの新体制発表があり、植山文彦監督が「都市対抗野球大会や社会人日本選手権への出場を目指す」と抱負を述べた。

 日産九州硬式野球部は1986年に創部。都市対抗に6回、日本選手権に9回出場するなど、九州の社会人野球を引っ張ってきた。プロ野球の福岡ダイエーホークスで中継ぎ投手として活躍した故・藤井将雄さんも所属した強豪だ。経営環境の変化もあり、2009年に休部。以降は野球部OBを中心としたクラブチーム「苅田ビクトリーズ」として活動してきた。

 今回は、クラブチームの流れをくみ、関連・協力企業所属の選手を含めた広域複合企業チームとして活動する。苅田ビクトリーズから18人、新たに加入した12人の選手計30人でスタートする。ユニホームは日産のブランドカラーの赤、白、黒の三色を基調にした。

 発表は2月19日にあり、壮行会も開かれた。そこで真新しいユニホームを披露した原周嗣投手は日産自動車九州の車体課でドアの組み付けなどに従事する。夜勤明けで練習することも多かったが、今は昼間だけの勤務で練習時間が確保できるようになった。

 「体のきつさや重さが違います。モチベーションも上がりました。ただ、企業チームなので、勝たないといけない。責任感は増しました」と話す。

 関連・協力企業に勤める合田有希主将は、用具の提供や食事面など練習環境の向上に感謝する。「バットは1本3万円するのでなかなか買えなかった。本当にありがたい。自分たちが新しい歴史をつくっていきたい」と意気込んだ。

 苅田ビクトリーズでも監督を務めた植山監督は「強いチームを作り上げるため、覚悟を持って取り組んでいく」と話した。チームは、3月に初の公式戦となる福岡県野球連盟会長杯に臨み、4月に都市対抗野球の予選に出場する予定。(鷹見正之)