京都府宇治市のゴルフ場が規模を縮小し、ホールの跡地に桜の木を植える計画を進めている。2月26日には地域の小学校の児童たちが招かれ、記念の植樹をした。 標高350メートルの見晴らしのいい山の上にある日清都カントリークラブ(宇治市莵道)は、日…

 京都府宇治市のゴルフ場が規模を縮小し、ホールの跡地に桜の木を植える計画を進めている。2月26日には地域の小学校の児童たちが招かれ、記念の植樹をした。

 標高350メートルの見晴らしのいい山の上にある日清都カントリークラブ(宇治市莵道)は、日清食品の創業者、故・安藤百福(ももふく)氏が1966年に設立した。85年に27ホールに拡張したが、2012年の豪雨で大きな被害を受け、規模を縮小。18ホールに戻して昨年9月に再オープンした。

 閉鎖したホールは自然に戻すことにし、今年2月からソメイヨシノ、ヤマザクラ、河津桜、八重桜の植樹に着手。ゴルフ場の会員や地元企業からの寄付で3月末までに約180本を植える。植樹はその後も少しずつ続けるという。

 この日、市立笠取第二小学校(宇治市炭山)の全校児童17人が日清都CCを訪れた。子どもたちはカートに分乗して閉鎖されたコースに行き、高さ2メートル以上ある桜の若木3本の根元に土を掛けた。その後、日清都CCに所属する永井奈都(なつ)プロの実演を見学し、パターゴルフを体験した。

 ゴルフ場での植樹というめったにできない経験に、子どもたちは興奮気味。「幹が太くなるのが楽しみ。また見に来たい」。6年生の清水耕(こう)さん(12)はそう話した。

 「みんながリラックスでき、楽しく幸せな気分になれる、新しい宇治の名所になれば」と支配人の小岸秀行さん(50)。

 一方、日清都CCから東に約1・5キロ離れた笠取第二小は、四方を山に囲まれた小さな学校だ。自然に恵まれた環境を生かし、地域住民の協力を得て田植え、稲刈り、干し柿作りといった、さまざまな自然体験に取り組んでいる。

 これまで日清都CCとの接点はなかったが、教頭の帆足慶信さん(50)は「ゴルフ体験活動など、子どもが企画するイベントを通じて協力しあうことができれば」と期待している。(北川学)