野口は1軍相手の対外試合で、なかなか本来のスイングをさせてもらえていない(C)産経新聞社 昨年日本一に輝いた阪神は現在、オープン戦の戦績が3戦全敗と波に乗れずにいるが、オープン戦はあくまで調整の場。慌てふためくような事態ではない。実…

野口は1軍相手の対外試合で、なかなか本来のスイングをさせてもらえていない(C)産経新聞社

 昨年日本一に輝いた阪神は現在、オープン戦の戦績が3戦全敗と波に乗れずにいるが、オープン戦はあくまで調整の場。慌てふためくような事態ではない。実際、昨年のオープン戦の順位を見ると、阪神は8位、DeNAは11位、広島は12位とセリーグの上位3チームはいずれも下位に沈んでいる。

【関連記事】「今の打ち方だったら何回やっても打てない」――佐藤輝明に飛んだゴジラ松井の“檄” 今春に打率7割の大砲は完全開化なるか

 オープン戦の順位にこだわり過ぎる必要はないが、選手としては結果を残し続けなければいけない。とりわけ実績のない若手選手であればなおさらだろう。

 2022年に育成1位で入団した野口恭佑は昨シーズン、2軍で打率.303と好成績をマーク。秋季キャンプでも猛アピールを続けて念願の支配下登録を勝ち取った。春季キャンプでは初の1軍でスタートするなど、首脳陣の注目度が高い野口は22日に行われた中日との2軍練習試合でホームランを放つなど、ポテンシャルの高さを見せている。

 順調にアピールを続けているように思える野口ではあるが、現在12球団相手の1軍の練習試合・オープン戦ではいまだにノーヒット。5試合に出場し8打席立って3死球を受けるなど、なかなか本来のスイングをさせてもらえていない。

 不運な部分は少なくないが、長い目で起用してもらえるほどの実績はない。それでも、阪神はセンターの近本光司以外は外野のレギュラーが決まっておらず、オープン戦で結果を残せば開幕レギュラーの可能性が見えてくる。野口としては踏ん張りどころと言って良い。

 阪神の両翼は右肘痛で離脱しているノイジーを除くと、森下翔太、井上広大、ミエセス、前川右京、小野寺暖が挙げられるが、ライバルはいずれも強力。日本シリーズで歴代新人最多となる7打点をあげた森下。キャンプの打ち上げの際に岡田彰布監督から野手MVPに指名された前川。23日の巨人とのオープン戦でホームランを放ったミエセスなど、開幕レギュラーを掴み取るために奮闘しているのは野口だけではない。

 開幕まではまだ時間は残されている。野口がこれからどんなアピールを見せるか楽しみだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】阪神・大竹耕太郎が考察 なぜ阪神投手陣は与四球が少ない? 古巣・ソフトバンクとの「文化の違い」【独占】

【関連記事】【阪神】佐藤輝明が 4年目の進化へ 打撃以外でも「成長が求められるポイント」「新たな刺客」とは

【関連記事】阪神の「扇の要」に大物球界OBが見解 投手の成長を支える重要性に持論も「キャッチャーの存在は大きい」