東京五輪で正式種目となって以降、注目度が高まる3人制バスケットボール「3x3」で、新たなプロチームが栃木県から名乗りを上げた。県出身の若手プレーヤーらが結成した「エデン・エグゼ」。戦術づくりにAI(人工知能)を使ったり、見られることを意識…

 東京五輪で正式種目となって以降、注目度が高まる3人制バスケットボール「3x3」で、新たなプロチームが栃木県から名乗りを上げた。県出身の若手プレーヤーらが結成した「エデン・エグゼ」。戦術づくりにAI(人工知能)を使ったり、見られることを意識して選手が美容サロンで脱毛したり、今風のアプローチで日本一をめざすという。

 エデン・エグゼは昨年夏に設立された。栃木県小山市出身の春山歩夢さん(23)が運営会社の社長兼オーナーで、小中学校で同級生だった鈴木雅之選手(同)が主将を務める。2月下旬に宇都宮市内で発足の記者会見を開き、チームの概要などを発表した。

 現在の選手は、大学で活躍したり国体などに出場したりした実績のある8人。活動拠点は県内全域とし、小山市の体育館などで練習している。今年5月からプロリーグの「スリー・エックス・スリー・エグゼ プレミア」に参加する予定だ。

 運営会社では、選手らが小中学生を指導する「バスケ塾」、男性向けの脱毛サロンの経営なども手がけているという。

 チームの運営にはAIを導入した。動画を読み込ませて戦術案の参考データをつくるほか、ユニホームのデザイン案もつくった。春山さんは「AIの採用で少人数での運営が可能」と説明する。

 選手たちは運営会社が経営するサロンで足などを脱毛している。表舞台に立つ選手に、格好良くきれいになってもらうのが狙いだという。

 栃木県でチームを設立した理由のひとつは、優勝経験のあるプロチーム・宇都宮ブレックスがあり、盛り上がると考えたからだ。

 すでに実績と知名度があるブレックスをライバルとし、チームコンセプトでは「日本一有名で影響力のあるプロチームをめざす」と掲げる。

 記者会見で鈴木主将は「ブレックスさんを必ず倒すという思いでやっていく」と意気込んだ。春山さんはチームの主体は「最新のバスケに触れている若い世代の選手」としたうえで、「まずSNSのフォロワーを増やすところから始める」と抱負を語った。

 宇都宮市では今年春の大型連休に、パリ五輪の予選など大きなイベントが開かれる。市も「3x3のまち」のPRに力を入れている。(津布楽洋一)