2023年度、早大バレー部は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)、東日本大学選手権大会(東日本インカレ)、秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ)、全日本大学選手権大会(全日本インカレ)で優勝、四冠を達成し、これを祝う祝賀会が開催された。部員やそ…
2023年度、早大バレー部は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)、東日本大学選手権大会(東日本インカレ)、秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ)、全日本大学選手権大会(全日本インカレ)で優勝、四冠を達成し、これを祝う祝賀会が開催された。部員やその保護者、監督やOBのほか、多くの来賓も参加し、四冠という偉業をたたえた。
会は今年度で辞任する稲門バレーボール倶楽部会長の金川裕一氏の主催挨拶に始まり、公益財団法人日本バレーボール協会会長の川合俊一氏、稲門体育会会長の河野洋平氏、早大のスポーツ振興担当である藤田誠氏による来賓挨拶が行われた。その後、早大競技スポーツセンター所長の石井昌幸氏の音頭で乾杯をした。
壇上に整列する選手たち
続いて部長・監督・主将挨拶が行われた。松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)は準決勝で敗退した2022年の全日本インカレを振り返ったのちに、今年度のチームへの思いを語った。春季リーグ、東日本インカレ、秋季リーグは優勝したが、「盤石ではなかった」。しかし、全日本インカレでチームが1つになることができ、選手たちを「すごく立派だった」とたたえた。続けて、新チームについては、「今年も『全部出す』という方針を崩さずに、新しいチームでもやっていきたい」と述べた。
挨拶をする松井監督
水町泰杜元主将(スポ4=熊本・鎮西)は4年間を通して学んだ「人としての存在価値」について語った。この1年間掲げてきた部を辞める人をなくすという目標を達成することができ、「四冠も嬉しいのですが、それ以上に僕の中では嬉しい」とした。そして「来年も全部出すということを目標に、応援されるチームを目指して頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。
挨拶をする水町
最後は稲門バレーボール倶楽部次期会長・現副会長の吉井勝彦氏の締めの挨拶で閉会した。今年度の締めくくりとなった本祝賀会。4年生は既にそれぞれの形で新たな地へと向かった。約1か月後には春季リーグが始まり、新体制が本格的に始動する。現体制の閉幕に寂しさを感じつつも、新たなチームで、新たな早大のバレーが見られることが楽しみである。
肩を組む4年生の6人
(記事 町田知穂、写真 五十嵐香音、町田知穂)
コメント
松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)
――2022年全日本インカレについて
去年の今頃はすごくつらい時を過ごしていました。しかし、負けてしまってもその試合で我々は成長できました。それでも特に負けた日は正直言って、私も少し弱気でした。学生たちは先輩たちがつないできたものを閉ざしてしまったと感じてしまうので、3位決定戦はどうかな、と思っていましたが、強い気持ちでチーム一丸となってやることができました。監督をやっていて最高の試合が一昨年の3位決定戦でした。あの悔しさを知っているメンバーの姿を見て、水町の代はいけるかもしれないという思いに至ったことは、はっきり覚えています。
――この1年間について
4年生は本当に人が良くて、正直で、嘘がつけなくて、一生懸命やる学年でした。しかし、水町に頼りすぎているなという部分があって。春季リーグでは中央大学さんに負けて、東日本インカレではうまく勝つことができて、秋季リーグはフルセットになりながらなんとか勝ててというところで、盤石ではなかったんですよね。そういうチームが1つになったのは、やはり全日本インカレでした。あの決勝では私は何もすることがなくて、監督をやった中では1番楽な試合を学生たちが作ってくれました。チームのルールをしっかりとやりこなしたメンバーはすごく立派だったなという風に思います。
――新体制に向けて
我々は日本一を目指しているのではなく、外に目を向けて、今何が世界で起こっているのかをしっかりと捉えてどう進んでいくかを学ばせているつもりです。成功を求めるとプランは小さくなります。そうではなく、常に全部を出すということが、つまり自分と常に向き合うということが個人を大きくして、チームを大きくします。今年もその方針を崩さずに、学生たちと一緒にやっていきたいと思っています。新しい主将の浅野(浅野翼、スポ3=宮城・東北)、主務である安田(安田治輝、商3=新潟第一)、3年の前田(前田凌吾、スポ2=大阪・清風)を中心にまた新しいチームで情熱溢れるバレーボールをやっていきながら成長していきたいと考えています。
水町泰杜元主将(スポ4=熊本・鎮西)
元主将として、4年間を通して感じたことを少し話そうと思います。大学バレーを通して、人としての存在価値を学んだ4年間だったと思います。早稲田の男子バレーボール部では学生主体に何事でも動かして、主将、副将、主務の三役を中心に、それぞれの学年に役割があって、スタッフの皆さんとも連携をとってユニットという形で役割を明確にすることを学びました。試合に出ているメンバーに光が当たりがちですが、そういうことはなくて。僕の代で言えば1年生が試合中にモッパーとしてずっと膝をついて、僕は汗っかきなので、僕が滑ると嫌な顔をせずによくワイピングをしに来てくれるんです。試合中はモッパーはあまり感情を出してはいけないのですが、モッパーが思わずガッツポーズをして何度も主審の人に怒られた記憶があります(笑)。今年松井監督がファミリーという風にスローガンを掲げてくださって、僕も主将として後輩とか同期とコミュニケーションを取る機会を増やしました。バレーボールは最後はうまい人ではなく、「この人に託したい」とか「この人で勝負したい」という人にボールが繋がっていくものだと思っていて。そういったものを最後に背負う人間として意識してやってきました。2年生、3年生の時に少し部員が辞めてしまうことがあって、その時に相談に乗ると、部活内での自分の存在価値がわからない、このままやっていっていいのかという風に言う人が多くて。でもそれを探すために僕らは4年間やってきたし、試合に出てない裏方のメンバーでもその人のために頑張ろうって人が絶対にいて、本当に誰1人として欠けてはいけないというのを4年間で感じました。そういった中で、僕らは今年辞める部員を0にしたいと言っていて、それをクリアできたことが一番嬉しく思います。もちろん四冠できたことも嬉しいのですが、それ以上に誰かのことを思いやれるいいチームになったというのが本当に僕の中では一番嬉しいことです。以上が4年間で学んだことになります。多くの方の支えで全力でバレーボールに向き合えたと思うので、まずはそういった人たちに感謝の気持ちを忘れずに、来年も浅野を中心に勝ち負けにこだわらず、全部出すということを目標に応援されるチームを目指して頑張っていってもらいたいなと思います。