日本ハム・武田久投手コーチがブレークを確信した7年目右腕・山本拓実 今季から日本ハムの投手コーチに就任した武田久氏が、「怪我さえしなければ絶対にブレークする。間違いない」と断言した投手がいる。プロ7年目を迎えた24歳・山本拓実投手だ。昨季途…

日本ハム・武田久投手コーチがブレークを確信した7年目右腕・山本拓実

 今季から日本ハムの投手コーチに就任した武田久氏が、「怪我さえしなければ絶対にブレークする。間違いない」と断言した投手がいる。プロ7年目を迎えた24歳・山本拓実投手だ。昨季途中に中日からトレード加入した右腕は、日本ハムでは初の春季キャンプを1軍で駆け抜けた。

 武田コーチが日本ハムのユニホームに袖を通すのは6年ぶり。新たに見る投手ばかりだった。そんな中で目を奪われたのが山本拓で「何となく予想はしていたけど、予想以上だった。めっちゃいいよ」と絶賛した。

「まず球が強いし速い。150キロ出るけど制球もいい。それから考え方がいいよね。取り組み方を見ていても考えてやっているなというのが分かるし、クレバーさがある」

 投球練習ひとつでも、自ら連投を意識して2日連続でブルペン入りするなど、目的意識が見えるのだという。「言われる前に自分で色々試してやっている。話していてもそれが分かる」と感心した。

昨季途中に中日からトレード加入、移籍後は26試合で防御率1.50

 2017年ドラフト6位で市立西宮高から中日入りした山本拓は、ルーキーイヤーから1軍デビュー。2022年には中継ぎとして30試合に登板も、2023年は14試合で防御率5.54と振るわず、6月に2対2の交換トレードで日本ハムにやってきた。すると新天地では26試合で防御率1.50と覚醒の兆しを見せた。

 武田投手コーチは「どういうポジションでスタートするか分からないけど、8回、9回でも全然いけるよ。昨年は少し便利屋みたいな感じだったけど、今年自分のポジションを掴めばやりやすくなる。そうすれば彼の持ち味がもっと出るんじゃないかな。本当に持っているものは凄いから」と声を大にした。

 身長170センチながら最多セーブ3回、最優秀中継ぎ1回とプロの世界で生き抜いた武田コーチの存在は、身長167センチの山本拓にとってもきっといいお手本となることだろう。また中日時代に自主トレをともにするなど“師匠”と慕っていた谷元圭介氏も、今季から打撃投手として日本ハムに復帰。右腕にとっては頼もしい存在が周囲にいることも大きい。

 谷元打撃投手も「練習に取り組む姿勢もいいし、頭もいい。自分が何を足りないのか分析しながら一日一日を過ごせる選手。(体は)小さいけどポテンシャルは凄い。むしろ『何で今まで活躍できていないの?』というくらい。昨年しかけたけどトレードがあって期間が短かったから、今年だよね」と話す。評価急上昇中の山本拓に注目だ。(町田利衣 / Rie Machida)