チューリップ賞(3歳牝・GII・芝1600m)と桜花賞(3歳牝・GI・芝1600m)は、ともに阪神芝1600mが舞台のトライアルと本番という関係だ。それだけに強い相関があることは言うまでもない。意外というべきか、チューリップ賞組の桜花賞…

 チューリップ賞(3歳牝・GII・芝1600m)と桜花賞(3歳牝・GI・芝1600m)は、ともに阪神芝1600mが舞台のトライアルと本番という関係だ。それだけに強い相関があることは言うまでもない。意外というべきか、チューリップ賞組の桜花賞馬は16年のジュエラーが最後だが、昨年はトライアルで2着だったコナコースト、3着だったペリファーニアが、そのまま本番でも2着、3着となっている。以前に比べると前哨戦を使わない馬が増えたとはいえ、やはりチューリップ賞は桜花賞の超重要ステップレースなのだ。

 しかしながら、両レースが同じようなレース、と言ってしまうと語弊がある。大きな違いは何か。レースの格? それは当然。答えはペースだ。近10回の前半3Fに注目しよう。チューリップ賞は34秒台が3回、35秒台が6回、36秒台が1回。前半3Fが後半3Fより速い前傾ラップだったことは3回しかない。一方の桜花賞はどうか。33秒台が1回、34秒台が7回、35秒台が1回、37秒台が1回。チューリップ賞に比べるとペースが流れる傾向にあり、前傾ラップになったことは5回もあった。

 ペースが速ければ、当然ながら差しも決まりやすい。チューリップ賞は昨年がモズメイメイの逃げ切りだったように、逃げ先行馬が押し切るケースが目立つ。18年以降の勝ち馬7頭(21年は同着)のうち、22年のナミュールを除く6頭は4角3番手以内だった。一方の桜花賞はというと、近10年の勝ち馬のうち、実に過半数の6頭が3角で10番手以降だった。したがって両レースの脚質傾向は真逆と言っていい。

 最後にもう一度繰り返すが、チューリップ賞は人気薄の逃げ先行馬に要注意。現時点で馬名を挙げるなら、新潟2歳Sで逃げて2着だったショウナンマヌエラ(牝3、栗東・高野友和厩舎)、前走の未勝利を牡馬相手に逃げ切ったエラトー(牝3、栗東・上村洋行厩舎)あたりだろうか。昨年のモズメイメイのような馬を見つけて、是非とも高配当を仕留めたい。