木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第35回 みなさん、ゴルフをやっていて楽しいですか? 特に天気がよくて、同伴メンバーに恵まれ、スコアもよかった日は最高ですよね。 でも、それとはまったく逆な日も、たまにあります。午後から土砂降りの雨になり…

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第35回

 みなさん、ゴルフをやっていて楽しいですか? 特に天気がよくて、同伴メンバーに恵まれ、スコアもよかった日は最高ですよね。

 でも、それとはまったく逆な日も、たまにあります。午後から土砂降りの雨になり、気を遣うメンバーと回って、スコアも滅茶苦茶。そのうえ、帰りには渋滞に遭遇して疲れ果て、しまいには風邪をひいてしまう始末......とかね。

 ゴルフほど、その日によって当たりはずれが大きいスポーツはありません。そういったことを踏まえて、ゴルフをやる時の満足度、到達点みたいなものを考えてみましょう。

(1)目標スコアについて
 ゴルフを楽しくプレーするには、大きな目標を掲げないことが大事だと思います。というのも、目標値がプレッシャーになり、自分を苦しめることがあるからです。

 最初に「今日は80台を狙う」と宣言して、自滅してしまうことは往々にしてあります。それよりも、毎ホール丁寧にボギーを積み重ねて、結果的に80台が出たほうがカッコいいし、精神的にもラクだし、達成感もあります。

 変に気負うことなく、ラウンド前にしっかり練習をして、バンカーやアプローチなどの課題克服に力を注ぎ、その時のベストを尽くせばいいのです。

 そんなわけで、己の身の程を知るという意味で、オススメしたいゲームは「オネストジョン」です。

 これは、直訳すると「正直者のジョン」。その名のとおり、その日の自らのスコアを正直かつ謙虚な気持ちになって予想し、当てるゲームです。

 そもそもこれはアメリカのミサイルの名前で、正確性を願って名づけられたとか。それが転じて、正確にスコアを当てる、ゴルフのゲームの名前になったと言われています。

 先にも触れたとおり、ゲームは当日の自分のスコアを予想して当てるもの。たとえば、自分がその日のスコアを「90」と予想したら、それを目指してラウンド。結果「92」でしたという場合は、マイナス2点。反対によかった場合でも「87」でしたとなったら、マイナス3点となります。

 要するに、参加メンバー各々がスタート前に自らの身の丈にあった目標スコアを設定して、ピタリ賞を競うわけです。自分の予想に最も近いスコアで回って、マイナスポイントが少ない人が勝ちとなります。テレビ番組で言うと、『ぐるナイ』(日本テレビ)の「ゴチになります!」にちょっと似ていますかね。

 これをやっていくと、自分の実力を客観視することができ、将来的には大いなる成長を遂げられると思いますけどね。

 ところで、同じようにコツコツとゴルフをやっていても、障害物に当たってOBになるなど、運悪く叩いてしまうこともしばしばあります。というわけで、次の話はこれです。

(2)叩いた時の心の切り替え
 ゴルフでは叩いた時の対応の仕方によって、人間性が出る、と言われています。ミスが続出し、不運なことが続くと、つい頭にきたり、へこんだりしてしまいますよね。

 自分の場合は通常、最低防衛ラインをまず100として、100を叩かないようにラウンドします。だから、前半のハーフで52なんてスコアが出たら、後半のハーフは47以内を目標に掲げ、そこに意識を全集中します。

 ただし、結果的に100を超えてしまっても、さほど苦にしません。去年の今頃はスランプに陥って、3連続100叩きとか、そういう時期がありましたから。

 あと、叩いた時はスコアのことは忘れて、内容を吟味します。つまり、少しでもいい部分があれば、それを伸ばすことに尽力します。ショットがダメでもパターの調子はいい、ということがあるじゃないですか。そこを拠りどころにしてラウンドするわけです。

 また、気持ちに少しでも余裕ができたら、「今日は叩く日なんだ」と諦め、逆に「なんで叩くんだろう」と原因究明に努めます。次につながることを考えるのです。



叩いてもへこまないよう、常に心の準備をしておきたいものですが...。illustration by Hattori Motonobu

 いずれにしても、いつでも100を叩く日は来る――そうやって、常に心の準備をしておけば、叩いてもへこまないと思います。

 だいたいゴルフのピークを終えたオヤジ世代は、年々叩くことが増えるのですから。もうしばらくしたら、自身の最終防衛ラインを110にするつもりですし。

(3)天候などのトラブル
 雨の日のゴルフは極力やりたくないですが、それは主催者の意向にもよるので、誘ってくれた人の判断に任せます。もちろん、自分の意見は言わせていただきますけどね。

 先日、自分主催のラウンドがあったのですが、雪が降る予報で、その確率が5割となっていたので、ラウンドの6日前に中止を決定しました。キャディバッグを宅配便で送る手間などもあったので、早めに決断したのです。

 迎えたラウンド予定の当日、お目当てのゴルフ場は雪でクローズでした。やった~、狙い的中!......って、そこは喜ぶところか?

 とにかく、雨予報の場合、できるだけ早めに情報をキャッチして、キャンセルの判断を決めるようにしています。

 問題なのは、コースに行ってから、急に雨が降ってきた場合です。たいてい、現場に来てしまったのだから仕方がないと、とりあえずハーフはラウンドすることが多いです。

 その後は、昼休みに同伴メンバーと協議して決めます。体調の悪い方がいれば休んでもらって、残りの人だけでラウンドする、みたいなパターンもあります。そこは、個人の意思を尊重します。誰がどういった決断をしても、決して非難したり、仲間割れしたりすることはありません。

 天候が悪いとコースの状態も悪く、スコアはまとまりません。その時は、雨でも18ホールラウンドできたという達成感を味わうことにしています。まだこれだけやれるぞ、ということですかね。

 さて、ゴルフはラウンドばかりじゃありません。条件が悪かったり、スコアがイマイチだったりした時は、終わってからの親睦会が重要となります。

(4)ゴルフの社交「親睦会」
 ゴルフをラウンドだけするスポーツと捉えるのは、ちょっと視野が狭いですよね。大人としての社交ルール、親睦の集まりと捉えるべきでしょう。

 特に、いつもの仲よしメンバーではない、仕事に関係のある人やお世話になっている人、久々に会う人などとラウンドする場合は、ラウンド後の親睦会がメインとなります。そして、その"19番ホール"の打ち上げで仲よくなり、新たな仕事につながったり、友情を深めたり、ゴルフツアーの計画を練ったりと、懇親の輪が広がっていきます。

 うまく盛り上がれば、満足度はマックス! 今日はみんなとゴルフをやってよかった! となります。

(5)視野を広げたゴルフをする
 ゴルフはホームコースに通って研鑽を積むのもよろしいですが、もっと視野を広げた遊びもオススメしたいです。それは、誰と、どこへ行くか、です。

 いつもの仲間ではなく、家族を連れてホームコースでラウンドするのもいいでしょう。仲間同士でもふだんとは違う北海道などへの旅行ゴルフを楽しむのもよし、学生時代の同級生たちと地元でラウンドするのもよろしいかと思います。

 そういう意味では、季節ごとにラウンドする舞台を変え、同伴メンバーを変え、さらにクラブを変え、二次会の場所を変えていけば、かなり変化にとんだラウンドを楽しめるでしょう。

 ゴルフのTPO。いつ、どこで、誰と、何の目的でラウンドするのか? メリハリをつければ、スコアに左右されず、楽しいゴルフライフを送れるんじゃないですか。