第78回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会(やまがた雪未来国スポ)は22日、山形、上山両市と最上町で競技が始まった。県勢では、ジャンプの成年男子Bで内藤智文選手(31)が準優勝。「レジェンド」にあと一歩、届かなかった。 内藤選手は1回目…

 第78回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会(やまがた雪未来国スポ)は22日、山形、上山両市と最上町で競技が始まった。県勢では、ジャンプの成年男子Bで内藤智文選手(31)が準優勝。「レジェンド」にあと一歩、届かなかった。

 内藤選手は1回目97・0メートル、2回目96・5メートルを飛び、合計233・5点で準優勝だった。優勝したソチ五輪銀メダリストで51歳の葛西紀明選手(北海道)との差は4・2点。競技終了後、報道陣の取材に「悔しいです。優勝を狙っていたので」と語った。

 「1回目のジャンプでミスしたのが大きかった」という。前日は、みぞれの悪条件の中で練習。一夜明けたジャンプ台は良好な状態になっていたが、「前日の残像が残ったまま助走に入り、上方向に行きすぎ、空中でロスしてしまった」。落ち着いて修正した2回目の得点は葛西選手を上回ったが、合計得点を覆すことはできなかった。

 国体の強化を狙って茨城県に招かれたが、コロナ禍で支援を受けていた会社から解雇された。2年前の春、国スポを控えた山形の関係者から誘いを受け、県スポーツ協会のスポーツ技術員を務める。県の大会成績への貢献を期待される立場だけに「最大限の力を出せるよう、しっかりと準備してきた」と話す。

 だが、直前で目算が狂った。今月あったノルディックスキー・ワールドカップジャンプ男子札幌大会に急きょ、招集。フェリーと車で夜通しかけて向かい、18日に予選出場。19日に山形に戻った。「かなり乱され、事前調整が難しかった」と振り返る。

 それでもこの日、レジェンドの葛西選手に肉薄。「これからも山形に貢献できるよう頑張りたい」。23日のノルディック複合では「いいジャンプをして粘りたい」と語る。(高橋昌宏)