アジャタ、クッブ、ラダーゲッター……。多くの人にとって耳慣れない競技名が、今年佐賀県内で開かれる国民スポーツ大会(旧国体)に並ぶ。県民だれもが参加できるデモンストレーションスポーツ。5月19日に鹿島市民体育館で開かれるバッゴーの参加者募集…

 アジャタ、クッブ、ラダーゲッター……。多くの人にとって耳慣れない競技名が、今年佐賀県内で開かれる国民スポーツ大会(旧国体)に並ぶ。県民だれもが参加できるデモンストレーションスポーツ。5月19日に鹿島市民体育館で開かれるバッゴーの参加者募集を始めた同市のチラシはうたう。「えっ、私も国スポ選手になれるんだ!」

 国スポの競技のうち、天皇杯や皇后杯の得点対象となる正式競技などは、日本スポーツ協会が決める。これに対し、地元の市民向けのデモンストレーションスポーツは、開催する都道府県が決めることができる。

 県のSAGA2024競技運営チームによると、2018年ごろから県内の競技団体や市や町と話し合い、競技を募った。

 地域で親しまれているとして浮かんだのが、有田町の皿かぶり競走や基山町の草スキー。鳥栖市で14年度から開かれている、制限時間内に決まったエリア内で拾ったごみの質と量を競う「スポGOMI」も採用された。

 アジャタ、クッブなど「ニュースポーツ」と呼ばれる競技の多くは、県レクリエーション協会が推薦したという。県の担当者によると、過去10年ほどの国体では採用されていない競技が多いという。

 このうちバッゴー開催の準備にあたる鹿島市レクリエーション協会の山口清美会長(74)は、20年1月に県の担当者からの電話で、バッゴー開催を準備するよう依頼されたという。「日本レクリエーション協会の指導者の資格をとっていたので、白羽の矢が立ったのだと思う」

 布地に穀物などをつめたビーンバッグと呼ばれるボールを投げ、ボードの穴に入れるなどして得点を競うバッゴーのことは全く知らず、しばらく迷ったが、最終的に引き受けることに。同年9月に協会を立ち上げ、準備に入った。

 しかし、バッゴーは市民にもなじみがない。どうすれば楽しんでもらえるか、毎月のように体験会を開き、試行錯誤を繰り返した。例えば、発祥の地の米国では、投げる地点からボードまでの距離が6メートルあるが、ボールが穴に入りやすいよう4・5メートルに縮めることにした。

 山口さんは「苦労もしたが何とか大会を迎えられそうで、責任を果たせそう。だれでもできるスポーツなので、初心者もぜひ参加してほしい」と話している。

 デモンストレーションスポーツは28競技が15市町で実施される。バッゴーのほか、アジャタ(吉野ケ里町)、ウォーキング(大町町)、シャッフルボード(上峰町)、クッブ(同)などで申し込みが始まっている。各競技の開催会場などの情報は、SAGA2024の「デモンストレーションスポーツに参加しよう」のサイト(saga2024.com/demospoapply/)で知ることができる。(小陳勇一)