愛知県日進市の愛知牧場を舞台に、1月20日、21日に「東海シクロクロス愛知牧場」が開催された。2日目のエリート男女のレースは、JCXシリーズ第8戦ならびにJCFシリーズ戦として位置付けられる重要なレースとなる。レイアウトがよく、コース全体を…

愛知県日進市の愛知牧場を舞台に、1月20日、21日に「東海シクロクロス愛知牧場」が開催された。
2日目のエリート男女のレースは、JCXシリーズ第8戦ならびにJCFシリーズ戦として位置付けられる重要なレースとなる。
レイアウトがよく、コース全体を見渡せて観戦しやすいことと、多くの出展ブースが並ぶこともあり、人気の高い大会だ。この日も自転車関連ブースに加え、地元の蜂蜜やフルーツ、お茶をなどの販売ブースやキッチンカーが並び、大いににぎわった。
全日本選手権を終えて、最初の試合であるが、世界選手権へ向かう選手たちにとっては、渡航前最後の重要なレースとなる。

コースには十字架に向かい、バイクを担いで登る「ゴルゴタの坂」や、長い登り坂「モーモー坂」など、ユーモアたっぷりの愛称が付けられた難所が設けられている。「モーモー坂」は人気の観戦場所となり、集まった観客たちが声援を送り合うスポットだ。
この日は前日から雨が降り続き、マッドコンディションとなり、比較的粘りのない独特な泥質が選手を苦しめることになった。安全のため、急遽コース変更が施され、雨天時はかなりスリッピーになる「ゴルゴタの坂」はカットされることが発表された。



敷地内を這うように設定されたこの日のコース。雨天となり、安全確保のため、難所を割愛しての開催となった(東海シクロクロス公式サイトより)

女子は、前週の全日本選手権で辛くも2位となった石田唯と、3位に終わった渡部春雅(明治大学)が競り合う展開に。



雨の中、力強い歓声に押し出されるようにレースがスタートした



会場には春を思わせるような菜の花も



渡部春雅(明治大学)と石田唯とが激しく競り合う展開に

渡部が前週の雪辱を晴らすように先行し、徐々に差を広げにかかる。石田はこの差を詰めきれず、渡部の独走が続いた。



渡部は独走に入り、石田との差を広げるべくペースを上げる



石田も必死に追い上げるが、大きく開いた差を埋めることはできなかった

渡部はそのままトップでフィニッシュ。2位には石田が入ったが、渡部は差を1分30秒近くまで広げての優勝だった。3位には鵜飼知春(and more)が入っている。



喜びがはじけるような笑顔のガッツポーズで優勝を決めた渡部



ローカル感あふれる表彰台に立つ渡部と3位の鵜飼知春(andmore)

【結果】
JCXシリーズ第8戦・愛知牧場Day2
女子エリート

1位/渡部春雅(明治大学)37分06
2位/石田唯 +1:29
3位/鵜飼知春(and more)+6:37

※男子エリートの結果は次のページへ→

続いて、男子エリートのレースが始まった。最前列からスタートした優勝候補の沢田時(宇都宮ブリッツェン)が好スタートを切り、コーナーに先頭で飛び込み、ホールショットを獲得。



男子エリートがスタート



そのまま先行する沢田時(宇都宮ブリッツェン)

そのまま、レースをリードして走る沢田の後ろには、U23で全日本チャンピオンとなり、真新しいチャンピオンジャージを着る副島達海(大阪産業大学)がピタリとつけていた。大学生ながらも、U23のチャンピオンであり、2週間前のレースでは、沢田を破り2位に入った、実力の高い選手である。このまま、副島と鈴木 来人(OnebyESU-ICV)がセカンドパックを形成することになった。



先頭をひた走る沢田



マッドコンディションの中を走る鈴木来人(OnebyESU-ICV)と副島達海(大阪産業大学)

副島が先行を始め、鈴木との差はじわじわと開き、最大1分以上にまで広がった。プロデビューから所属してきたチームを、今シーズンを最後に移籍する小坂光(宇都宮ブリッツェン)にとっては、このジャージで走るレースはこのレースを含め、2戦のみ。沢田ともに走るのは、これが最後となる。なんとしても沢田と共に立つ表彰台を確保すべく、全力で鈴木を追った。



雨は止んだものの、まだ路面はぬかるみの中



バニーホップでシケインを飛ぶ沢田

沢田は独走に入ってから好ペースを刻み、3周目終了時までには、差を1分10秒にまで開いていた。4周目以降ペースを若干落としたが、万が一のトラブルにも負けないほどの差を、すでにしっかりと確保していた。
小坂は淡々と鈴木を追い上げ、最終周回に入る頃には、鈴木選手を捕らえる位置にまで上がっていた。
先行する沢田は悠々とフィニッシュラインを越え、1分41秒の差をつけて優勝。今季初優勝となった。2位には副島が入った。



両腕を上げ、歓喜のフィニッシュを決める沢田。後続に大差を開いての会心の勝利となった

鈴木と小坂は最後まで3位争いを展開したが、最後には鈴木がわずかに先行し、3位表彰台を手に入れることになった。この日は56名が出走したが、完走者は、わずか6名だった。



表彰台に立った優勝者沢田、2位の副島、3位の鈴木

沢田は「泥の厳しいコンディションだったが、(この後)乾いていくかと予想し『乗って行ったもの勝ち』だと思い、ホールショットも取れたので、自分のペースでガンガン行った」とレースを振り返る。今季は表彰台には立つものの、てっぺんには立てないレースが続いた沢田だが「勝てない間もずっと支えてもらい、今日はみんなでつかんだ勝利だと思う」とサポートスタッフへの感謝を述べ、笑顔を見せた。



今季は同チームで共に走った沢田と小坂光(宇都宮ブリッツェン)だが、このレースが同じジャージで走る最後のレースとなった。健闘を讃え合うふたり

沢田はこのレースを最後に、世界選手権参戦のためにチェコに向かった。泥の中での厳しいレースであったが、様々なドラマが交錯する、見応えのある戦いとなった。

画像:Satoshi ODA

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【結果】
JCXシリーズ第8戦・愛知牧場Day2
男子エリート

1位/沢田時(宇都宮ブリッツェン)1:07:00
2位/副島達海(大阪産業大学)+1:41
3位/鈴木来人(OnebyESU-ICV)+1:52
4位/小坂光(宇都宮ブリッツェン)+1:56
5位/松本一成(SNEL CYCLOCROSSTEAM)+5:44

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