福岡ソフトバンクホークスの今季開幕投手に有原航平投手(31)が指名された。宮崎市での春季キャンプ第5クール3日目の22日、小久保裕紀監督(52)が明らかにした。 21日、宿舎で小久保監督の自室に呼ばれた有原はピンときた。 「この時期に呼ば…

 福岡ソフトバンクホークスの今季開幕投手に有原航平投手(31)が指名された。宮崎市での春季キャンプ第5クール3日目の22日、小久保裕紀監督(52)が明らかにした。

 21日、宿舎で小久保監督の自室に呼ばれた有原はピンときた。

 「この時期に呼ばれるのは、絶対にそういうことだなと」

 日本ハム時代の2020年以来、4年ぶり3度目の「大役」を任されると直感したが、予想外だったのは、その伝えられ方だった。

 「任せた」という言葉とともに手紙を渡された。なかを見ると、便箋(びんせん)2枚に毛筆で小久保監督の思いが書かれていたという。

 「本当に託したという感じでした」。なかでも、心に残ったのは「前後裁断」の4文字だ。

 過去や未来のことは断ち切り、今にすべてを集中するという意味で、小久保監督が現役時代から大切にしている言葉だった。

 「本当にうれしかったし、意気に感じました。できることを集中してやることが大事だと思う。自分にできることを精いっぱいやって、チームに貢献したい」と意気込む。

 大リーグのレンジャーズ傘下3Aを自由契約となり、ソフトバンクに新加入した昨季は、調整に時間がかかり、初先発は6月に入ってから。それでも、安定した投球を続け、チーム最多の10勝(5敗)を積み上げた。

 今季開幕カードのオリックスには昨季3勝3敗、防御率2・25と相性は悪くはない。小久保監督は「(キャンプでの)ブルペンの状態と昨年の成績を考え、(有原に)託すことにした」と話す。

 有原は「チームを代表して投げさせてもらうので、1球目から全力で投げることが大事かなと思う。(初陣の)小久保監督に勝利球を? もちろん渡したいと思います」。

 25日の韓国プロ野球、斗山ベアーズとの練習試合(宮崎市生目の杜運動公園)に登板予定で、開幕戦の3月29日のオリックス戦(京セラドーム大阪)へ向けて調整を続けていく。(鷹見正之)