国民スポーツ大会(国スポ)の冬季大会スキー競技会「やまがた雪未来国スポ」が21日、開幕した。47都道府県の選手1246人が、山形、上山の両市、最上町の3会場で24日まで熱戦を繰り広げる。 国スポは国民体育大会(国体)が名称を変更したもので…

 国民スポーツ大会(国スポ)の冬季大会スキー競技会「やまがた雪未来国スポ」が21日、開幕した。47都道府県の選手1246人が、山形、上山の両市、最上町の3会場で24日まで熱戦を繰り広げる。

 国スポは国民体育大会(国体)が名称を変更したもので、初の開催となる。県内での冬季大会開催は2014年の「やまがた樹氷国体」以来、10年ぶり。この日は山形市のやまぎん県民ホールで開始式があり、民謡「最上川舟唄」や花笠踊りなどが披露され、各選手団を歓迎した。

 吉村美栄子知事の開始宣言に続き、日本スポーツ協会の遠藤利明会長があいさつに立ち、「新たなスポーツの未来に向けて力強い一歩を踏み出す大会。フェアプレー精神の下、日頃鍛えた力と技を存分に発揮してください」と激励した。

 記録的な雪不足でアルペン競技がコース短縮を余儀なくされる中での開幕に、全日本スキー連盟の勝木紀昭会長は「開催の危機に直面したが、トラックで大量の雪を運び込み不眠不休の作業で開催にこぎ着けていただいたと聞いています。皆様からの支えに応えて、全国から集まった選手が躍動感あふれる戦いを展開することを期待しています」と述べた。

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 選手代表の宣誓は、山形県選手団の青木富美子選手(57)が務め、「能登半島地震で被災された方々を始め、日本中の皆さんの心に夢と希望を届けられるよう、全力で競技することを誓います」と力強く語った。

 真室川町出身。クロスカントリーで、アルベールビル、リレハンメル、長野と3大会続けて冬季五輪に出場。国体では今回を含め33回出て、優勝12回という「山形のレジェンド」だ。

 式後、報道陣の取材に応じた青木選手は「競技以上に緊張した」。第一線の選手としては現役を退き、最近は「趣味の延長線でがんばっている」という。

 だからこそ、1レース1レースに「これが最後かも」という思いを込め、走り続けている。「あと何年チャレンジできるか分からないので、山形の国スポを大切にしたい」

 地元での今大会、競技の役員や後輩たちがコースの整備に励むのを目にしてきた。「入賞して喜んでもらえたら」と語る。

 県の旗手として入場したクロスカントリーの須賀愛依選手(22)は日本体育大学の4年生。県立新庄北高を卒業した「ふるさと選手」だ。「地元の声援を力に変えてがんばっていきたい」と意気込む。(高橋昌宏)