甲子園で愛媛県勢が春夏計10回の優勝を果たすなど、「野球王国」と呼ばれる野球熱の高さを後世に伝えようと、県は19日、全国大会で優勝や準優勝の好成績を収めた県内の野球指導者18人に感謝状を贈った。 県庁であった贈呈式には、松山商を甲子園に春…

 甲子園で愛媛県勢が春夏計10回の優勝を果たすなど、「野球王国」と呼ばれる野球熱の高さを後世に伝えようと、県は19日、全国大会で優勝や準優勝の好成績を収めた県内の野球指導者18人に感謝状を贈った。

 県庁であった贈呈式には、松山商を甲子園に春夏計6回導いた元監督の沢田勝彦さん(67)らが出席した。全国制覇を果たした1996年夏の熊本工との決勝では、延長十回裏に交代直後の右翼手が好返球でサヨナラ負けを阻止し、「奇跡のバックホーム」として今なお高校野球ファンに語り継がれている。

 現在も松山商で野球部顧問として指導する沢田さんは「1点差を勝ちきるチームを目指してきた愛媛の野球が日本の野球の根底にある」と話した。県勢は甲子園で2018年夏に済美が4強入りを果たして以来、8強入りがないなど低迷していることについては、「愛媛の高校野球を盛り返していきたい」と語った。

 この日、他に感謝状が贈られたのは、宇和島東と済美の監督として甲子園優勝を果たした故・上甲正典さん、今治西を春夏11回の甲子園に導いた松山商の大野康哉監督(52)ら。県は他にも、全国大会で8強以上の成績を収めた県内の社会人野球や少年野球なども含めた指導者91人にも感謝状の送付を予定している。

 中村時広知事は「輝かしい歴史を次世代にバトンタッチし、野球王国復活へのきっかけになれば」と話した。(川村貴大)